2005年 03月 10日
Excite エキサイト : 経済ニュース 「リーマンがライブドアを使ってフジサンケイグループを乗っ取る?」「外資が国内メディアを乗っ取らなないように規制を強化しろ!」などと、野次馬が現実味がなさそうな外資の動きを大袈裟に騒いでいますが、そうしている間に、ダイムラークライスラー社は三菱ふそうを三菱グループから着実に切り離して、ダイムラークライスラーのモノにしています。 85%までモノにしたのですから、そろそろ社名を「ダイムラーふそう」に変えて、「スリーダイヤ」を廃止して本物の(笑)「スリーポインテッド・スター」をクルマに誇らしくあしらったら、業績と株の資産価値も早期回復するのでは? というのも、少なくとも日本市場の「ベンツ・コンプレックス」は依然として根強く、ベンツを買えない大多数の庶民は、運転していて視界にベンツマークが見えると、「水戸黄門に決めポーズをやられて土下座する皆の衆」のような精神状態に陥ります。私のような小心者だと、ベンツマークの救急車と黒塗りスモークガラスのSクラスが近づくと、路肩に寄ってドキドキしながら過ぎ去るのを待つほどです。数年前、旧型Sクラスの覆面パトカーが某高速道路で取り締まりしていましたが、それは大変な恐怖でした・・・。 ですから、威張って走りたい全国のトラック野郎や、威張ったお客さんを乗せたいバス会社が、競ってベンツ印のトラックやバスに乗り換えると思います。 外国企業に日本を代表する旧財閥系老舗ブランド大企業が乗っ取られるという図式、本来はインパクトの強いニュースになるはずですが、「三菱ブランドのクルマは社会悪、消えてしまえ!」という意識があるせいか、ナショナリズム的な騒ぎも起きず、皆さん静かですね…。 おそらく三菱のクルマが問題を起こしたことの本質は、「経営モラルの低さ」にあるはずで、モラルの低い経営が設計に反映された結果であり、技術力とは別の話だと思うのです。「クルマづくり」をする「開発力と技術」そのものは、ベンツを創っているダイムラークライスラー社が一目を置く存在だからこそ業務提携が始まったのであり、本来の価値は潜在的に高いと思うのです。 このように、ナショナリズム的抵抗も起こさず、むしろ救済的な状況を演出することで感謝されながら、本来の価値よりも安く買い叩いて乗っ取るシナリオを描くのが、欧米的本格派「大人の乗っ取り手法」だと思います。 ライブドア社の堀江社長には、このような「大人のマナー」を参考にしていただきたく、草葉の陰からお勧めします。 三菱自とダイムラー、ふそう賠償問題で約5億ユーロで和解=関係筋 [ 03月10日 17時55分 ] [フランフルト 10日 ロイター] 独自動車大手のダイムラークライスラーは10日、子会社の三菱ふそうトラック・バスの資産価値が下落したことに伴い、ダイムラーが経営再建中の三菱自動車に損害賠償を求めていた問題が最終決着したことを明らかにした。 合意によると、三菱自は保有する三菱ふそうの株式20%をダイムラーに譲渡するほか、一定の現金を支払う。ダイムラーの三菱ふそうの持ち株比率は85%になる。 ダイムラーは具体的な和解の金額についてコメントを控えているが、関係筋によると、5億ユーロ規模になるという。
by azatsu0422
| 2005-03-10 19:43
| 経済
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