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ボロは着れども心は錦。

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2005年 05月 17日

改革と外交をめぐる、小泉首相と福田氏の対決。

注目の「対決」でしたが、双方「おとな」の対応だったようですね。

「構造改革」をはじめ、多難な外交問題など、困難なテーマのブレークスルーを「トンネル掘り」に例えれば、小泉首相は「発破をかける」役割で、福田氏は「瓦礫を掻き出して、中身を仕上げる」役割に適した人だと想像しています。人は万能じゃないし、民主主義の手続き論の現実がある中では、国運を左右する困難で複雑なテーマを、一人で全て出来るとは思えません。

改革と外交をめぐる、小泉首相と福田氏の対決。_c0019485_19575620.jpg司馬遼太郎の「花神」は、「大村益次郎にスポットを当てた地味な話」と斬り捨てることは出来ますが、「人の持ち味と歴史的な役割」という歴史観を学ぶ気がします。「思想家」→「革命家」→「実務家」というように、それぞれのステージに適した持ち味の人材が表舞台に現れて活躍しないと、革命的な変革は成功しないのかも知れません。

そのような意味では、「たとえ自分の手で貫通出来ずに燃え尽きても、難しい岩盤をブチ抜く工法を身をもって実践して、同様の工法を前例に後の工事に道筋をつける。」というのが小泉首相の役割なのだと自任しているのでしょうし、小泉首相をもってしても、「小泉一人で出来ることは、ここまで」、と覚悟しているのでしょう。現代の民主主義の政治システムでは仕方が無いことだと思います。

小泉首相の後任の期待像は、「前例の出来た工法を参考・踏襲しながら、残る岩盤をブチ抜いて貫通させ、綺麗に仕上げること。」でしょうが、私は官房長官時代の在任当時から福田氏に期待していました。

でも、トンネルはいくら仕上げが良くても、「貫通」しなくては役に立ちません。極論すれば、仕上げが粗くても貫通すれば、少々不便でも用を足します。でも、福田氏の質問の印象からは、「福田氏に後を託したら、チマチマと内装工事ばかりして、結局は貫通しないのでは?」という気分になりました。

ちなみに、靖国参拝は、「自民党の小泉総裁」が「遺族会の支持基盤を得るための方法論」として必要だったのは明らかです。でも、それだけではないと思います。「外交は未知数」と言われて登場した小泉首相が、これまでナメられてばかりだった弱腰の日中外交で「自分自身の交渉カード」を持つために、敢えて靖国神社に参拝して「靖国問題」を引き起こしたのだと思います。

だから、十分に中国から日本の「国益」になる「条件」を引き出せれば「靖国カード」は用済みとなるはずです。その条件とは、中国へのODAを止めたり日中の領有権を決着させる、という程度のレベルでなく、少なくとも「北朝鮮問題で実効ある協力をしてもらうこと」であり、究極は「日本が国連で"拒否権"のある常任理事国になること」だと思います。

小泉首相が退任すれば、その時は遺族会の支援も不要になるでしょうから、後任に靖国参拝を止めてもらっても構わないはずです。恐らく、後任の首相は中国に熱烈歓迎されて、小泉前首相と比較されて大いに持ち上げられることでしょう。小泉首相にとって「嫌われ役」は覚悟の上だと思いますし、逆に外交経験の多い人には出来なかったでしょう。小泉首相は、弱味を強味にしたのだと思います。

小泉首相と福田氏の対決・・・。案外、国民をはじめ党の内外、そして中国側に向かって、その辺のコントラストを印象づけるための芝居だったのかも知れません。福田氏がどこまで受け止めているのか判りませんが、小泉首相が福田氏に寄せる期待は、それほどのものだろうと思います。


日中関係に福田氏も苦言 外交手詰まり感浮き彫り [ 05月16日 18時56分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 政治ニュース

 16日の衆院予算委員会集中審議で、昨年5月まで「内閣の要」として小泉純一郎首相を支えた自民党の福田康夫前官房長官は、日中関係の現状について「首脳会談が(相互訪問の形で)できないのは、異常な状態だ」と苦言を呈した。
 首相は野党議員の質問に対しては「日本外交は順調に進んでいる」と自賛していたが、「親中派」として知られる福田氏の指摘には、無表情のまま直接の答弁はなし。福田氏だけでなく公明党議員からも懸念が示され、小泉外交の手詰まり感が浮き彫りになった形だ。
 福田氏は「首相が国際社会との協調を重視するというのであれば、足元の東アジアの中国、韓国との関係は早急に改善しておく必要がある」と強調。その上で、歴史問題だけではなく環境、エネルギー問題を含め「両国首脳が徹底的に議論して、大局的な判断を進めることが必要だ。それは国民に対する義務でもある」と淡々と指摘した。


福田氏が首相と“対決” 16日の衆院予算委で [ 05月13日 19時25分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 政治ニュース

 自民党の福田康夫前官房長官が、16日に衆院予算委員会で行われる外交問題などの集中審議で小泉純一郎首相らを相手に質疑を行うことが13日決まった。昨年5月に国民年金保険料の未納問題で官房長官を辞任してから質問に立つのは初めて。
 小泉首相の後継候補の一人に挙がっているだけに、党内では「表舞台で存在感アピールに乗り出したのでは」(幹部)と「ポスト小泉」の動きと関連づけて見る向きもある。首相と元女房役の対決に関心が集まりそうだ。
 集中審議では、民主党は中国から帰国したばかりの仙谷由人政調会長が質問に立ち、首相の外交姿勢を追及する構え。このため、自民党執行部は「こちらも外交問題でピリッと締まった話ができる質問者が必要だ」(国対筋)と判断。外交に詳しい複数の候補者から福田氏に打診したところ快諾を得たという。


靖国参拝継続の意向 首相が衆院予算委で [ 05月16日 10時37分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 政治ニュース

 小泉純一郎首相は16日午前の衆院予算委員会の外交問題などに関する集中審議で、自らの靖国神社参拝について「戦没者の追悼でどのような仕方がいいかは、他の国が干渉すべきでない。靖国神社に参拝してはいけないという理由がわからない」と述べ、中国や韓国の批判に強い不快感を示した。
 その上で、民主党の仙谷由人政調会長が今年中の参拝の有無をただしたのに対し、首相は「いつ行くか、適切に判断する」と参拝継続の意向をにじませた。
 また、首相は「中国側は『戦争の反省』を行動に示せというが、日本は戦後60年間、国際社会と協調し、二度と戦争をしないという、その言葉通りの行動によって、戦争の反省を示してきた」と強調した。
 靖国神社へのA級戦犯合祀(ごうし)については「『罪を憎んで人を憎まず』というのは、中国の孔子の言葉だ。一個人のために参拝しているのではない」として、問題ないとの認識を示した。


新常任理事国に拒否権 日本の安保理改革案判明 [ 05月17日 02時00分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 政治ニュース

 国連安全保障理事会常任理事国入りを目指す日本、ドイツ、インド、ブラジルの4カ国グループ(G4)が6月にも国連総会に共同提案する安保理拡大に関する「枠組み決議案」の内容が16日、判明した。
 常任理事国を現行の5から11に、非常任理事国を10から14にそれぞれ増やすことを求めている。米国などが反対する新常任理事国への拒否権付与も盛り込んだ。
 G4はニューヨークの国連代表部で16日午後(日本時間17日午前)、「関心のある国」に内容を説明するのを手始めに、決議案可決に必要な全国連加盟国の3分の2(128カ国)以上の賛成獲得に向け、支持拡大に努める方針だ。


<国連安保理>G4、「枠組み決議案」草案を正式提示 [ 05月17日 11時13分 ]
Excite エキサイト : 国際ニュース

 【ニューヨーク高橋弘司】国連安保理常任理事国入りをめざす日本、ドイツ、インド、ブラジルの4カ国グループ(G4)は16日、国連総会に提出する「枠組み決議案」草案をG4を支持する加盟国に正式提示した。拒否権付きを前提に新たに常任理事国を6カ国増やし、安保理を計25カ国に拡大することを明記したのが特徴。さらに(1)6月中の「枠組み決議案」採択(2)7月中旬の新常任理事国選出(3)選出後、2週間以内の国連憲章改正案採択――というタイムテーブル(日程表)を明示、当初、9月の特別首脳会合後に予定していた新常任理事国選出日程を前倒しし、改革の早期実現に強い意欲を示した。
 しかし、米国が拒否権付きの常任理事国増に反対と伝えられるほか、現常任理事国のうち米中露3カ国がともに期限を設定した形での改革に難色を示しており、決議案が掲げる早期改革実現の推進は難航することが予想される。
 草案は16日、G4が決議案の共同提案国になると期待するアジア、アフリカ、東欧など六十数カ国の代表に示された。それによると、現行15カ国で構成する安保理に、常任理事国6カ国(アジア2、アフリカ2、中南米1、西欧その他1)、非常任理事国4カ国(アジア、アフリカ、中南米、東欧各1)を追加し、計25カ国に拡大すべきだとした。拒否権については「現在の常任理事国と同等の義務と責任を持つべきだ」との表現で、事実上、保持を前提にした。
 また、決議案採択後、一定期間内に新常任理事国候補国が立候補登録を行い、秘密投票で加盟国の3分の2以上の賛成を得て新常任理事国を選出する。規定数を獲得した国が地域別の定数に満たない場合には再投票を行う。選出後、2週間以内に国連憲章改正決議案を国連総会に提出し、採決すると明記している。安保理の包括的見直しを目指した2020年の会議開催も盛り込まれた。 ◆「枠組み決議案」草案の要旨は次のとおり
 【ニューヨーク支局】日独などが16日、支援国に示した、国連安保理改革に関する「枠組み決議案」の要旨は次のとおり。
 【規模と構成】安保理メンバー15カ国に、6常任理事国と4非常任理事国を加えて計25カ国に拡大する。新常任理事国の地域別国数はアフリカ2、アジア2、中南米1、西欧その他1。新非常任理事国はアフリカ、アジア、東欧、中南米からそれぞれ1となる。
 【選挙手続き】常任理事国入りを希望する国は、決議案採択後に総会議長に立候補を届け出る。選挙は、決議案採択後、総会で秘密投票を実施。加盟国の3分の2の賛成票を得て選出される。
 【拒否権】
 現在の常任理事国と同じ責任と義務を持つべきだ。
 【憲章改正と見直し】新常任理事国決定後、2週間以内に改正案を採択する。安保理見直しに向けた会議は2020年に開催する。
 【作業方法】協議は加盟国すべてに公開され、非公開協議は例外とする。理事国でない加盟国は必要に応じて安保理下部組織に毎回、参加を認める。

by azatsu0422 | 2005-05-17 19:31 | 政治


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