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2006年 05月 19日

少数派の隣人に対しても、慈愛をもって接したい。

まず、GIDは医学的根拠のある不幸な疾患です。

記事によると「GIDの診断を受けた人は全国で延べ約4000人」。潜在的な患者さんも含めれば、もっといるかも知れません。少なからぬ人数だと思いますが、1億2千数百万人の日本の中では少数派(単純計算で10万人に3人少々。実感としては、もっといそうな気がする…)です。

ただ、医学的に解明し切れていない事も多々あるようですし、診断と処置のガイドラインがあるものの、社会性や法的整備も考えると現時点は成人への対応で精一杯という状況の模様で、医学的な小児期のGIDは現実の発症と議論はあっても、未だ整備されていないようです。

だから、今回のニュースは日本のGID問題に携わる研究者と当事者に、新たな一石を投じると思います。GIDが医学的に認められて10年経ち、このようなニュースが知れ渡るようになると、今後は小児のGIDをカミングアウトする人も増えて来るだろうと思うからです。そして、それは「多数派の論理」で否定する筋合いのものでなく、前向きに取り組むべき課題だと思います。

c0019485_184387.jpg何しろ、元々GIDは小児期から発症しており、我慢と葛藤に悩みつつ、そして成人になっても納得できずにカミングアウトしている人に対する治療が現状です。医学書(性同一性障害の基礎と臨床・山内俊雄 編著・ISBN4-88002-473-2)によると、「報告によって差はあるが、成人に達した後にも性転換願望を持ち続けていたものは2%から10%」とのことですから、小児期のGIDが社会的に認知されたら、4千人に対する単純計算をすれば、4万人から20万人の小児が潜在的な性同一性障害なのかもしれません。




「性」とか「ジェンダー」は、実はすごく概念が奥深く複雑なようです。定義や概念を勘違いしたまま軽はずみにこれらの言葉で語ってしまうと、ブログなら炎上する恐れがあります。

しかも、性的志向としての「異性愛」「同性愛」「両性愛」は、あくまで別次元の分類だそうで、さらに単なる倒錯として異性の服装を好む「服装倒錯症」という概念もあり、あくまでこれらは別の問題のようです。また、先天的にそうなのか、後天的にそうなったのか・・・によっても事情が異なるようです。

そして、GIDにこれらの問題が合併しているケースもあるわけです。心の問題ですから、なかなか見た目に判る物理量で測れないだけに、これらを綺麗に分類するのが大変だと思います。

一般人の感覚だと、同性愛者と混同するうえ、同性愛者に対する偏見に満ちた視点で見てしまいがちですし、人によっては感情論となってしまうせいか、どうしても収拾のつかぬ混乱に満ちた議論になってしまうようです。

でも、いちばん葛藤して深く傷つくのが当事者であることは、事実です。生まれつき先天的な障害があったのです。当事者に何も罪はなく、ただ「神に選ばれた子」だったのです。小児期から発症していても、今のようにカミングアウトできず、親にも認められず、ひたすら葛藤しながら成人するまで耐えていたはずです。何しろGIDという概念が医学的な疾患として認められてから、未だ10年しか経っていません。自分の状態を科学的に説明できなければ、葛藤しながら我慢するしか無かったことでしょう。ストレスのあまり深刻な抑うつ症状になって自殺未遂を繰り返すケースも少なくないそうです。

当事者に何か罪があったのでしょうか?私の隣人にGIDの人がいたら、ケガをしている人や妊婦、老人に席を譲るのと同じ感覚で、私は救いたいと考えますが、こんな私は偽善者でしょうか?

そして、GIDの当事者に接する人は、とにかく過剰反応しないで当事者を受け入れて、お互いに意識しないで済むように普通に接すれば良いだけだと思うのです。現実的な問題が、着替えやトイレ、入浴の問題なら、その場に応じて少し譲り合う配慮をすれば済むこと。大騒ぎすればするほど、結果がどうあれ当事者が傷つくと思います。電車で席を譲るよりも簡単で楽なことです。

とかく見た目の違和感は、差別やイジメの対象になりやすいものですが、これは今に始まった問題でなく、何につけても共通する事。隣人に対する少しの思いやりで、全て収まる話だと思うのです。



<性同一性障害>これからの問題も… 兵庫の小2受け入れ [ 05月18日 13時02分 ]

 性同一性障害(GID)と診断され、体は男児だが女児として通学している小学2年生。地元・兵庫県内の教委が保護者側の意向を受け入れたことに、専門家らは一定の評価をする。しかし、水泳授業、性教育……。学年が進み体が成長するにつれて直面する現実がある。男児の「心の性」をどう受け入れるのか。教育現場や地域社会も問われている。
■教育委員会
 会見した地元の教育委員会によると、男児は5歳のころ、母親に「おちんちんは取れないの?」と問いかけ、自分が男児であることへの違和感を訴えた。兄と同じ少年野球教室に通わせようとすると、かたくなに拒み、バレエ教室に通わせると喜んでいたという。
 女児として学校生活にとけ込んでいるが、5年生になると、学校行事として合宿が行われ、その際、クラスメートと一緒の入浴もある。第2次性徴を迎える時期で、その際の対応について教委は「状況をみて慎重に対応したい」と話しているが、子どもたちが神経質になる時期であり、多くの課題が残っている。
■当事者たち
 当事者団体「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(東京都)によると、GIDの診断を受けた人は全国で延べ約4000人いるといわれ、国内外で既に性別適合手術を受けた人は1000人程度とみられている。昨年末までに約370人が戸籍上の性別変更を家裁に申し立て、約330人が認められた。
 同性愛者であることを公表した大阪府議の尾辻かな子さん(31)は「学校や教育委員会が本人の意思を尊重した対応」と評価する一方、「幼いころの性別への違和感は将来揺らぐこともある。まだ思春期を迎える前に、GIDの診断を受けたのは早すぎる気もする。性の多様性に目を向けた対応が必要だ」と慎重さも求めた。
 男性から女性に性別を変更した東京都世田谷区議の上川あやさん(38)は「第2次性徴や思春期の前で、慎重にみなければならない時期ではあるが、体の性に対する本人の嫌悪感が強いのならば現実的な対応。大人の『事なかれ主義』で子どもが置き去りにされることを避けた点で評価できる」と話す。
■識者
 教育評論家で法政大キャリアデザイン学部の尾木直樹教授は「人権を尊重した先駆的な行政判断」と評価しながらも、今後、いろいろな問題が起こると指摘する。「現在は女の子とプールに入ったり、体操をしたりできるだろうが、小学4年生ぐらいになるとクラスメートも気づきはじめ、周りとの関係が難しくなるだろう。教師やクラスメートの父母らは、善意のつもりでむやみに動くようなことはしないほうがいい」と慎重な対応を求める。
 尾木教授によると、北欧では同様の実例があるといい「そうした事例を研究している専門家や精神科医、カウンセラーと早急にプロジェクトチームを作り、保護者や子どもにヒアリングをして今後の接し方を考えていくべきだ」と話した。
 ◇依然高いハードル
 性同一性障害(GID)をめぐる社会環境は厳しく、横浜市の男性が勤務していた出版社から女装を理由に解雇され、地位保全の仮処分を申し立て、02年6月に認められたケースもあった。一方で、同年3月に女性として活動していた競艇選手、安藤大将さん(当時は千夏)が、男性としての活動を認められた。03年には戸籍上は男性の大阪市の職員が女性として勤務を始めた。
 03年7月には家庭裁判所の審判で戸籍の性別を変えられる特例法が成立、04年の施行後にタレントのカルーセル麻紀さんが男性から女性に、作家の虎井まさ衛さんが女性から男性に、それぞれ戸籍を変更した。しかし、GIDの人たちでつくる団体などは「依然ハードルが高い」と指摘、子供がいないことなどを変更要件とする同法の改正を求めている。


<性同一性障害>小2「女児」として学校生活 兵庫 [ 05月18日 11時33分 ]

 兵庫県内で暮らす小学校2年生の男児(7)が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」(GID)と診断され、昨年の入学時から女児として通学していることが18日、分かった。地元の教育委員会が保護者側の意向を受け入れ、女児として学校生活を送っている。04年7月施行の特例法で、成人した性同一性障害者が戸籍の性別を変更することが可能になったが、低学年の児童が公的な場で障害を認められる例は全国的に珍しい。
 会見した教育委員会によると、男児は幼少期からスカートやぬいぐるみが好きという兆候が見られた。5歳の時、保護者が兄と同じ少年野球教室に入れようとしたところ、嫌がって食事をとらない日が続いたという。
 母親が近くの病院に相談したところ、「男女を区別せず、本人が望むようにさせてみては」とアドバイスされたため、通っていた保育園に女児の服装で通わせ、プールでもビキニタイプの水着を着せると元気を取り戻したという。
 小学校に女児として受け入れてもらおうと、大阪の病院で専門的な検査を行い、GIDの診断書を得て学校に提出。教委、学校関係者と2度面談した後、女児としての受け入れが決まった。入学後、出席簿は女児の欄に入れられ、トイレや身体測定も女児として過ごしている。
 教委によると、入学させる際、教職員全員には説明したが、文部科学省、県教委には報告しておらず、PTAにも説明していないため、実際の性に気付いていないクラスメートが多いのではないかという。
 教委は「今後、体の性に戻ることがあったとしても、対応出来るよう態勢を整えたい」としている。
 性同一性障害学会理事長の大島俊之・神戸学院大学法科大学院教授は「学会で大学生や高校生の事例の報告はあったが、小学生のケースが公になったのは初めてではないか。体の性別よりも、心の性別に応じた今回の方針は良い対応だと思う。さらに体の男性化が進む小学校高学年になるまでに、周りの児童の理解力に応じた説明をすることも今後の課題だ」と話している。
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by azatsu0422 | 2006-05-19 17:58 | 健康・薬・医療


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