2005年 02月 10日
Excite エキサイト : 政治ニュース 憲法って、もっと根本的な概念を押さえている洗練された条文だと思っていましたが、改めて第三章「国民の権利及び義務」を読んでみると、けっこう長々と色々な切り口で各論的に「権利」を定めているんだな、という印象を抱きました。それなら、そうで一貫すれば良いとは思います。 軍国主義で、特高警察や憲兵に人権を何もかも踏みにじられ一方的に拘束、拷問されて命さえ失いかねなかった時代への反省が、条文から伝わります。 そして、現状の憲法で結構あれこれ権利を具体的に定めていることもあるので、時代背景の変化を踏まえて環境権や知る権利(情報公開)、プライバシー権を憲法のレベルで定めること自体、私は良いのでは?という印象を抱きました。 敢えて言えば、現状の権利の規定をもっと「包括的な概念」としてシンプルな言葉にまとめてしまい、その中に自ずと環境や情報公開、プライバシーの権利も解釈できる条文にするのがスマートじゃないかなぁ・・・?と思いました。それを踏まえて各論を法令で規定するなら、それは一つの見識だと思うのです。 ところが、そういう観点でニュースに報じられた議論を読むと、憲法を議論するわりには視点が各党の立場でバラバラなまま自分の言い分を水掛け論のように言い放つばかりで、論点整理もないまま噛み合ってない感じがします。国の最高の立法機関の議論としては、あまりに洗練度が低くて恥ずかしいものがあります。もちろん、こんな会議費に税金が使われているなんて、もったいないです。この程度の話なら、どこかの居酒屋に自費で集まって議論して欲しいです。 土井氏は憲法学者として一家言のある第一人者と受け止めていましたが、各論に引きずり込まれて「護憲のための護憲」をヒステリックに連呼している気がします。これではオーソリティの品格を自ら汚してしまいます。失礼ながら、9条論議で護憲を貫くために「護憲」の言葉を一貫させたいだけで、他も含めて頑なに「憲法を変えないこと」を主張しているのかな?と想像します。もし本当にそんな発想でいるなら、お先が真っ暗です。 この国の憲法への礼儀として、もっと高い志と洗練された議論を期待しています。 「新しい人権」見解割れる 衆院憲法調査会=差替 [ 02月10日 11時56分 ] 共同通信 衆院憲法調査会(中山太郎会長)は10日午前、「国民の権利・義務」をテーマに自由討議を行い、環境権や「知る権利」などの「新しい人権」を憲法に明記することについて、公明、民主両党が推進論を展開、社民、共産両党が不要論を示すなど見解が割れた。 民主党の園田康博氏は「憲法条文上の根拠があいまいなまま、解釈論を展開するのは不十分だ」と環境権やプライバシー権などを憲法で明文化すべきだと主張。公明党の福島豊氏も「環境立国を明確にすべきだ。諸外国でも憲法に明記されている」と同調した。 これに対し社民党の土井たか子氏は「憲法に書けば権利が実現できると考えるのは浅はかだ。立法の努力を積み重ねることが先決だ」と述べ、憲法に盛り込むのでなく、法律で規定すべきだとの考えを示した。共産党の高橋千鶴子氏も「現行憲法で対応できる」と述べ、憲法改正は必要ないと強調した。
by azatsu0422
| 2005-02-10 17:28
| 政治
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