カテゴリ:健康・薬・医療( 22 )


2007年 05月 24日

リスクを技術的に解決するのがメーカーの本筋と思います。

私はこんにゃくゼリーが好物でお世話になっている消費者の立場なので、市場から排除させて欲しくないし、なくなったら困る…とまで思っています。
でも、報道にあるようなリスクは無視できない事実です。容器の形状変更や注意喚起の警告表示も、かつて問題になった時から約10年が経つと「喉元を過ぎて」、消費者の注意が薄れてしまい、事故が再発したのかも知れません。責任や補償の問題に影響するでしょうからメーカーは受け止めたくないでしょうが、いずれにせよメーカーが「過去の対策が不十分だった」と謙虚に受け止めるのが議論の起点になると考えます。そうしないで対応を誤り地雷を踏むような発言をすると、今どきの感情的な市場環境は、途端に市場からの排除を求めるだろうと思います。

こんにゃくの特性や、食感のこだわり、製造上の技術的・経済的な制約によって、抜本的な対策が出来なかったのかも知れませんが、今どきの社会的な風潮では諦めずに向き合うしかないと思います。すなわち、「噛まない人、噛めない人」が「こんにゃくゼリー」を食べても、喉に詰まる前の段階で「喉に詰まらない」状態にするしかありません。たとえば…

・ 「噛まざるを得ない」状態にする、という発想なら、一口大をやめて容器を
 大きくして、通常のゼリーのようにスプーンですくって食べるか、「かじって
 食べる」ような容器にする。
 最も安直なアプローチだが、今までメーカーがそうしなかったのは、
 それなりに致命的な理由があるのだろうと思う。ゼリーが硬過ぎて
 スプーンがゼリーに刺さらず弾いてしまい、すくって食べられないのだ
 ろうか?

・ 「どんな人が食べても喉に詰まらないほど、容器の大きさを小さくする。」
 のは、良いアイデアと思えない。
 というのも、安全を保証できる大きさが特定できないうえ、容器の数が
 増えて製造面や経済面、ゴミの観点から望ましくない。何と言っても、
 喉に詰まる心配のない大多数の消費者にとっては不満な大きさになる
 だろう。まるでデラウェアのぶどうをプチプチ一粒ずつ食べるような面倒
 臭い事態になると思う。

・ 一個ずつのゼリーを小粒にするなら、中華料理か何かのデザート
 みたいに直径3mm前後の粒にしたものを容器に充填して、スプーンで
 食べさせるしかないと思う。

・ 食べたら噛まなくても喉を通る前に融けたり崩れるようにする。
 こんにゃくの特性の常識から絶対不可能と考えられているのかも知れ
 ないが、こういう常識を疑ってブレークスルーするのが技術革新であり、
 個人的には最も期待する方向性。
 例えば、前記の小粒にしたゼリーを一口大の容器へ圧縮しながら密封
 充填し、開封して口に入れた途端に元の粒へバラけるようになったら、
 いいな…と思う。


などなど…。メーカーには正面から向き合って相反するニーズを両立させて欲しいと願っていますし、行政にはメーカーにそういう姿勢を促して、支援して欲しいと思います。


<こんにゃくゼリー>7歳児2人が窒息死 注意呼び掛け  [ 05月23日 20時19分 ]

 一口サイズのこんにゃくゼリーを食べた7歳の男児2人が3、4月に相次いで窒息死していたことが分かった。国民生活センターが23日発表した。同センターは「こんにゃくゼリーの安全性が確認できない。被害が集中している子供や高齢者はこんにゃくゼリーを食べるのを控えてほしい」と呼びかけている。
 同センターによると、3月23日に東海地方の7歳男児が、学童保育でおやつとして提供されたこんにゃくゼリーを食べて窒息死した。4月29日には、甲信越地方の7歳男児が祖父母宅でこんにゃくゼリーを食べてのどに詰まらせ、6日後に亡くなった。
 こんにゃくゼリーは、ダイエットブームを背景に登場した商品で、幅数センチのミニカップや袋に入っているものが多い。ほかのゼリーに比べて硬く、弾力性があるため、のどに詰まりやすい。
 同センターによると、窒息事故は95年以降、約40件起きている。特に95、96年に多発し、1~6歳の乳幼児5人と60~80代の高齢者3人の計8人が死亡。その後、99年にも40代の女性が死亡した。このほか03年、川崎市内の3歳児が窒息死し、病院の受け入れ態勢をめぐって裁判になった例がある。
 同センターは死亡事故などを受けて95年10月から昨年11月まで計7回の注意情報を出し、農林水産省や業界団体に改善を要望。メーカーも消費者がよくかんで食べるよう注意表示を分かりやすくしたほか、商品を小さくしたり、形を変えるなどの改善を進めていた。
 一方、海外では米食品医薬品局(FDA)が、こんにゃくゼリーの危険性の警告や商品の回収を実施しているほか、欧州連合(EU)も03年、ゼリー菓子へのこんにゃくの使用を禁止している。
 同センターの島野康審議役は「日常的に子供が口にする商品で、これだけ死亡するということは相当の問題。今後、さらに調査を進め、改めて業界や行政に改善を要望したい」と話している。農水省食品産業振興課は「詳細を調べ、対応を検討したい」としている。【板垣博之】
 ▽子どもの誤飲事故に詳しい小児救急医学会理事長の市川光太郎・北九州市立八幡病院副院長 本来なら気道の異物を除去しようとしてせき込むなどの反射が起こるはずだが、かまずに食べたゼリーが気道に粘着して完全に覆ってしまい、反射も起きない状態になったのではないか。気道はその人の小指より心持ち太い程度で、過去には1歳児がイクラを食べて窒息死した例もあった。メーカーは、一口サイズではなく大きめの容器に入れ、さじですくって食べる形に改める必要がある。保護者ら大人の側も自分が食べている物をそのまま子どもに与えないよう注意してほしい。
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by azatsu0422 | 2007-05-24 06:29 | 健康・薬・医療
2007年 04月 18日

性は「秘め事」

コンドームの世界最大手・デュレックス社は毎年のように調査をしていて、特に2005年のグローバル・セックス・サーベイで、日本人のセックス頻度が世界で最も少ないことがマスコミに大きく取り上げられて話題になりましたが、最近の調査結果も相変わらずだった、ということだと思います。

性がオープンになったとはいえ、今でも多くの日本人にとって「性は秘め事」という意識が根強いと思います。「破廉恥」という日本語に日本的な性の感性が凝縮されていると思いますが、日本人には羞恥心の葛藤を超えるところで、強い性的快感を得ているように思います。

今の日本は、羞恥心の中途半端な解放、人間関係の希薄化、価値観や趣味の多様化、近代化から現代に至る即物的な風潮…、といった要因が相まって、スキンシップでしか得られない愛情の交流が薄れ、全体的にはセックスの本質的な素晴らしさを実感することなく、歪曲されて面白おかしく茶化されたまま、淡白になっているのかも知れないと感じました。

そもそも、「世界性の健康会議」と称して性を真面目に議論すること自体、唐突でエキセントリックな印象がありませんか?下ネタ話は日が暮れてから酒の回った席での猥談程度でしか話さない、真面目に話すこと自体、ヘンじゃない?…というのが大多数の日本人の認識に思えてなりません。

このような現状が、少子化の本質とは言いませんが、背景の一つでもあるように思えますし、熟年離婚や家族関係の希薄化など、日本社会の遠因になっているように感じています。


日本人はセックスに無関心=回数は最少、刺激も感じず―意識調査
[ 04月17日 22時03分 ] AFP=時事

【シドニー17日】世界で最もセックスの回数が少ないのは日本人―。シドニーで開かれた「世界性の健康会議」で、日本をはじめとするアジア各国の国民は、他の大陸の国民よりセックスへの関心が薄いとの世論調査結果が公表された。≪写真は上海で見詰め合うカップル≫
 調査は、コンドーム大手デュレックスが26カ国・地域の2万6000人以上を対象に実施した。それによると、セックスの年平均回数は106回。最多はギリシャの164回、日本は48回で最少だった。
 「セックスは刺激的だと思うか」との質問でも、日本は「思う」との回答が10%で最低。トップはナイジェリアの78%で、平均は49%だった。香港32%、オーストラリア40%、シンガポール41%、タイ42%、ニュージーランド43%など、アジア・太平洋諸国は軒並み低くなっている。
 セックスにかける時間が最も短かいのは、インドで1回当たり13.2分。最長はナイジェリアの24分、平均は18.3分で、日本は平均を大きく下回った。また、「常に絶頂に達するか」との質問に対し、「達する」との回答が最も少なかったのは中国と香港でそれぞれ24%。日本が27%で続いた。
 「セックスは自分にとってとても大切」と考えている人は、平均で59%。最低はタイの38%で、日本は下から2番目の39%だった。
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by azatsu0422 | 2007-04-18 12:44 | 健康・薬・医療
2007年 04月 03日

調子に乗り過ぎた印象です。

「思ったよりも」評判が良くて、ツカミはOKという感じの東国原知事でしたが、就任当時の固さが取れて元芸人の血が騒ぎ始めて来た印象で、特にTBS「サンデージャポン」を見ていると悪ノリを感じ始めた矢先の発言でした。

例えば、鳥インフルエンザで終息宣言が出る前に、どこかで公人の立場である第三者人からブラックジョークで「宮崎産の鶏肉をいっぱい食べたから・・・・・だ」と発言されたら、発言の中身や意図がどうであれ、必死に対応している最中の当事者の神経は大なり小なり逆撫でされたのでは?「必死にやってるんだから、放っといてくれよ!」と言いたくありませんか?

あくまで風評の段階なのに、風評の影響で生活が左右されたり人生にかかわる心の傷を受ける人は常にいるものです。そういうデリケートな立場にいる人達の心情を思いやる気持ちがあれば、第三者である限り、どんな意図であれ「触れない事」が人としての優しさだと思います。

そして、こういう悪ノリの風潮は、ひいてはイジメの問題にもつながると思います。
例えば、クラスの笑いをとるために、笑いのネタで犠牲にされるクラスメートがいたとしても、目先の笑いのために配慮を忘れてしまう・・・という話と同じで、以前、そういうイジメを扇動した担任の教師が社会的に袋叩きにされましたが、知事の発言もこういう話に通じるのではないでしょうか。知事の伝えたかった本質が何なのか理解できませんが、私にはイジメの問題と同じ本質という印象です。

じゃあ、あの場面でどうすれば良かったか?

少なくとも訓話のネタにすべきでなかったと思います。
記者会見などでインフルエンザの治療にタミフルを服用したか?と問われれば、服用した事実と、ご自身の効果と副作用の有無を結論だけ端的に述べれば良いのです。
周囲の期待に対してさぞ「つまらない」対応でしょうが、「芸人を辞めた」というのが事実であるなら、知事の立場として様々な立場を思いやった優しさをもって、敢えて「つまらない」対応をすべきでした。


<東国原知事>タミフルで失言、謝罪 [ 04月02日 19時04分 ]

 宮崎県の東国原(ひがしこくばる)英夫知事は2日、インフルエンザから復帰後初の公務に臨んだ。新規採用者の辞令交付式で「タミフル(インフルエンザ治療薬)をたらふく飲んだから異常言動が出るかもしれない」と冗談を飛ばした。しかし、この後、抗議電話があり謝罪した。

 知事はインフルエンザで3月28~31日、宮崎市内の病院に入院した。辞令交付式では新人職員44人を前に訓話した。式の様子をテレビで見た人から県庁に「タミフルの服用と異常行動の因果関係が証明されていない」と電話があったという。東国原知事は記者会見で「社会風刺のつもりだったが、不快感を与えたことを謝罪する」と陳謝した。【中尾祐児】


「本質伝わらなかった」と謝罪 宮崎県知事がタミフル発言で [ 04月02日 17時09分 ] 共同通信

 宮崎県の東国原知事は、入庁式の訓示で「タミフルを飲んだので異常行動を起こすかもしれない」と発言したことについて、2日の記者会見で「不快に思われた方がいたと思う。申し訳ありませんでした」と謝罪した。東国原知事は「ブラックジョーク的に社会風刺したつもりだったが、本質が十分に伝わらなかった」と釈明。一方で「自由な言論の枠内」「訂正を求められるのはいかがなものか」とも述べた。


タミフルで異常行動するかも 東国原知事が新人訓示で [ 04月02日 14時14分 ] 共同通信

 宮崎県の東国原英夫知事は2日、新入職員の入庁式訓示で、インフルエンザで入院していたとした上で「タミフルを飲み放題飲んだので、今日は異常行動、異常言動に走るかもしれない」などと述べた。知事は「(県庁に)部長は要らないと思う」「(地元紙は)御用新聞」などと発言し、入庁式後の幹部を集めた年度初めの訓示でも「インフル、タミフル、ヒガシコクバル」などと発言した。


東国原宮崎県知事が入院 インフルエンザで発熱 [ 03月29日 11時04分 ] 共同通信

 宮崎県の東国原英夫知事が28日夜、インフルエンザのため宮崎市内の病院に入院した。少なくとも29日中は入院が必要という。熱が39・1度あり、体の痛みなどを訴えている。29日の公務のうち、県庁内での知事の等身大パネル除幕式は延期となった。沖縄県の嘉手納基地からの戦闘機訓練移転に関する福岡防衛施設局長からの説明や表敬訪問は副知事が代行した。
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by azatsu0422 | 2007-04-03 11:36 | 健康・薬・医療
2006年 05月 19日

少数派の隣人に対しても、慈愛をもって接したい。

まず、GIDは医学的根拠のある不幸な疾患です。

記事によると「GIDの診断を受けた人は全国で延べ約4000人」。潜在的な患者さんも含めれば、もっといるかも知れません。少なからぬ人数だと思いますが、1億2千数百万人の日本の中では少数派(単純計算で10万人に3人少々。実感としては、もっといそうな気がする…)です。

ただ、医学的に解明し切れていない事も多々あるようですし、診断と処置のガイドラインがあるものの、社会性や法的整備も考えると現時点は成人への対応で精一杯という状況の模様で、医学的な小児期のGIDは現実の発症と議論はあっても、未だ整備されていないようです。

だから、今回のニュースは日本のGID問題に携わる研究者と当事者に、新たな一石を投じると思います。GIDが医学的に認められて10年経ち、このようなニュースが知れ渡るようになると、今後は小児のGIDをカミングアウトする人も増えて来るだろうと思うからです。そして、それは「多数派の論理」で否定する筋合いのものでなく、前向きに取り組むべき課題だと思います。

c0019485_184387.jpg何しろ、元々GIDは小児期から発症しており、我慢と葛藤に悩みつつ、そして成人になっても納得できずにカミングアウトしている人に対する治療が現状です。医学書(性同一性障害の基礎と臨床・山内俊雄 編著・ISBN4-88002-473-2)によると、「報告によって差はあるが、成人に達した後にも性転換願望を持ち続けていたものは2%から10%」とのことですから、小児期のGIDが社会的に認知されたら、4千人に対する単純計算をすれば、4万人から20万人の小児が潜在的な性同一性障害なのかもしれません。




「性」とか「ジェンダー」は、実はすごく概念が奥深く複雑なようです。定義や概念を勘違いしたまま軽はずみにこれらの言葉で語ってしまうと、ブログなら炎上する恐れがあります。

しかも、性的志向としての「異性愛」「同性愛」「両性愛」は、あくまで別次元の分類だそうで、さらに単なる倒錯として異性の服装を好む「服装倒錯症」という概念もあり、あくまでこれらは別の問題のようです。また、先天的にそうなのか、後天的にそうなったのか・・・によっても事情が異なるようです。

そして、GIDにこれらの問題が合併しているケースもあるわけです。心の問題ですから、なかなか見た目に判る物理量で測れないだけに、これらを綺麗に分類するのが大変だと思います。

一般人の感覚だと、同性愛者と混同するうえ、同性愛者に対する偏見に満ちた視点で見てしまいがちですし、人によっては感情論となってしまうせいか、どうしても収拾のつかぬ混乱に満ちた議論になってしまうようです。

でも、いちばん葛藤して深く傷つくのが当事者であることは、事実です。生まれつき先天的な障害があったのです。当事者に何も罪はなく、ただ「神に選ばれた子」だったのです。小児期から発症していても、今のようにカミングアウトできず、親にも認められず、ひたすら葛藤しながら成人するまで耐えていたはずです。何しろGIDという概念が医学的な疾患として認められてから、未だ10年しか経っていません。自分の状態を科学的に説明できなければ、葛藤しながら我慢するしか無かったことでしょう。ストレスのあまり深刻な抑うつ症状になって自殺未遂を繰り返すケースも少なくないそうです。

当事者に何か罪があったのでしょうか?私の隣人にGIDの人がいたら、ケガをしている人や妊婦、老人に席を譲るのと同じ感覚で、私は救いたいと考えますが、こんな私は偽善者でしょうか?

そして、GIDの当事者に接する人は、とにかく過剰反応しないで当事者を受け入れて、お互いに意識しないで済むように普通に接すれば良いだけだと思うのです。現実的な問題が、着替えやトイレ、入浴の問題なら、その場に応じて少し譲り合う配慮をすれば済むこと。大騒ぎすればするほど、結果がどうあれ当事者が傷つくと思います。電車で席を譲るよりも簡単で楽なことです。

とかく見た目の違和感は、差別やイジメの対象になりやすいものですが、これは今に始まった問題でなく、何につけても共通する事。隣人に対する少しの思いやりで、全て収まる話だと思うのです。



<性同一性障害>これからの問題も… 兵庫の小2受け入れ [ 05月18日 13時02分 ]

 性同一性障害(GID)と診断され、体は男児だが女児として通学している小学2年生。地元・兵庫県内の教委が保護者側の意向を受け入れたことに、専門家らは一定の評価をする。しかし、水泳授業、性教育……。学年が進み体が成長するにつれて直面する現実がある。男児の「心の性」をどう受け入れるのか。教育現場や地域社会も問われている。
■教育委員会
 会見した地元の教育委員会によると、男児は5歳のころ、母親に「おちんちんは取れないの?」と問いかけ、自分が男児であることへの違和感を訴えた。兄と同じ少年野球教室に通わせようとすると、かたくなに拒み、バレエ教室に通わせると喜んでいたという。
 女児として学校生活にとけ込んでいるが、5年生になると、学校行事として合宿が行われ、その際、クラスメートと一緒の入浴もある。第2次性徴を迎える時期で、その際の対応について教委は「状況をみて慎重に対応したい」と話しているが、子どもたちが神経質になる時期であり、多くの課題が残っている。
■当事者たち
 当事者団体「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(東京都)によると、GIDの診断を受けた人は全国で延べ約4000人いるといわれ、国内外で既に性別適合手術を受けた人は1000人程度とみられている。昨年末までに約370人が戸籍上の性別変更を家裁に申し立て、約330人が認められた。
 同性愛者であることを公表した大阪府議の尾辻かな子さん(31)は「学校や教育委員会が本人の意思を尊重した対応」と評価する一方、「幼いころの性別への違和感は将来揺らぐこともある。まだ思春期を迎える前に、GIDの診断を受けたのは早すぎる気もする。性の多様性に目を向けた対応が必要だ」と慎重さも求めた。
 男性から女性に性別を変更した東京都世田谷区議の上川あやさん(38)は「第2次性徴や思春期の前で、慎重にみなければならない時期ではあるが、体の性に対する本人の嫌悪感が強いのならば現実的な対応。大人の『事なかれ主義』で子どもが置き去りにされることを避けた点で評価できる」と話す。
■識者
 教育評論家で法政大キャリアデザイン学部の尾木直樹教授は「人権を尊重した先駆的な行政判断」と評価しながらも、今後、いろいろな問題が起こると指摘する。「現在は女の子とプールに入ったり、体操をしたりできるだろうが、小学4年生ぐらいになるとクラスメートも気づきはじめ、周りとの関係が難しくなるだろう。教師やクラスメートの父母らは、善意のつもりでむやみに動くようなことはしないほうがいい」と慎重な対応を求める。
 尾木教授によると、北欧では同様の実例があるといい「そうした事例を研究している専門家や精神科医、カウンセラーと早急にプロジェクトチームを作り、保護者や子どもにヒアリングをして今後の接し方を考えていくべきだ」と話した。
 ◇依然高いハードル
 性同一性障害(GID)をめぐる社会環境は厳しく、横浜市の男性が勤務していた出版社から女装を理由に解雇され、地位保全の仮処分を申し立て、02年6月に認められたケースもあった。一方で、同年3月に女性として活動していた競艇選手、安藤大将さん(当時は千夏)が、男性としての活動を認められた。03年には戸籍上は男性の大阪市の職員が女性として勤務を始めた。
 03年7月には家庭裁判所の審判で戸籍の性別を変えられる特例法が成立、04年の施行後にタレントのカルーセル麻紀さんが男性から女性に、作家の虎井まさ衛さんが女性から男性に、それぞれ戸籍を変更した。しかし、GIDの人たちでつくる団体などは「依然ハードルが高い」と指摘、子供がいないことなどを変更要件とする同法の改正を求めている。


<性同一性障害>小2「女児」として学校生活 兵庫 [ 05月18日 11時33分 ]

 兵庫県内で暮らす小学校2年生の男児(7)が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」(GID)と診断され、昨年の入学時から女児として通学していることが18日、分かった。地元の教育委員会が保護者側の意向を受け入れ、女児として学校生活を送っている。04年7月施行の特例法で、成人した性同一性障害者が戸籍の性別を変更することが可能になったが、低学年の児童が公的な場で障害を認められる例は全国的に珍しい。
 会見した教育委員会によると、男児は幼少期からスカートやぬいぐるみが好きという兆候が見られた。5歳の時、保護者が兄と同じ少年野球教室に入れようとしたところ、嫌がって食事をとらない日が続いたという。
 母親が近くの病院に相談したところ、「男女を区別せず、本人が望むようにさせてみては」とアドバイスされたため、通っていた保育園に女児の服装で通わせ、プールでもビキニタイプの水着を着せると元気を取り戻したという。
 小学校に女児として受け入れてもらおうと、大阪の病院で専門的な検査を行い、GIDの診断書を得て学校に提出。教委、学校関係者と2度面談した後、女児としての受け入れが決まった。入学後、出席簿は女児の欄に入れられ、トイレや身体測定も女児として過ごしている。
 教委によると、入学させる際、教職員全員には説明したが、文部科学省、県教委には報告しておらず、PTAにも説明していないため、実際の性に気付いていないクラスメートが多いのではないかという。
 教委は「今後、体の性に戻ることがあったとしても、対応出来るよう態勢を整えたい」としている。
 性同一性障害学会理事長の大島俊之・神戸学院大学法科大学院教授は「学会で大学生や高校生の事例の報告はあったが、小学生のケースが公になったのは初めてではないか。体の性別よりも、心の性別に応じた今回の方針は良い対応だと思う。さらに体の男性化が進む小学校高学年になるまでに、周りの児童の理解力に応じた説明をすることも今後の課題だ」と話している。
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by azatsu0422 | 2006-05-19 17:58 | 健康・薬・医療
2006年 02月 14日

メディアを通じて市民感情を煽ることでアガリクスを排除させる、行政当局。

世の中に万能の抗がん作用がある薬があれば良いのですが、現実の癌には色々タイプがあるようです。ようやく遺伝子レベルで徐々に解明されつつある段階で、タイプに応じた特効薬が出揃うのは当分先の話になるでしょうね…。それまでは副作用が強くて荒削りでも、経験的に比較的多くの人に効いて、「リスク」<「メリット」と言える抗がん剤が承認されるようです。
でも、そういう抗がん剤でさえ効かない、少なからぬ癌患者さんとご家族にしてみれば、藁にもすがる気持ちで、何でも試そうと思う人もいるわけです。私たちは、そういう気持ちを否定できるでしょうか?
アガリクスは、動物実験で抗がん作用が認められたという報告があるようですが、多くのヒトに効くという学術的に誰もが認めるだけの証拠は出ていないようです。それでも、何でか分からないけど効いた人がいる、という経験談が一人歩きして、そこに目をつけた業者さん達がアノ手コノ手でもったいつけて荒稼ぎして来た・・・、と理解しています。
わずかに効く人がいたのかも知れませんが、多くの人に効くなら、とっくにどこかの製薬会社が製品化しているはずです。ほとんどの人には効かないのでしょうから、そういう現実を説明した上で、それでも試したい人に使っていただくのが筋でしょうけど、断片的な効果ばかり強調して、それを信じた人が効果を得られず亡くなってしまえば、詐欺だと思われても仕方ありませんよね・・・。

癌という極めてデリケートなテーマについて、切実な人の気持ちにつけこんで、このような商売をすることは消費者保護の観点からケシカランという話ですが、行政当局にしてみれば、どうやって薬事法や食品衛生法などの法の網に引っ掛けて市場から排除するか、さぞかし苦慮したのでしょう。
そういう意味で、このニュースはアガリクスが発がん物質であることが立証できれば、かなり強制力のある形で排除できたのでしょうけど、残念ながら?そういう事実は出なかった。どんな試験方法だったか知る由もありませんが、とりあえず「癌の進行を促進させる結果」があったと発表したわけです。

ここで、「癌の進行を促進させる」作用で食品を市場から強制的に排除しようとすると、杓子定規に考えれば大変なことになると思います。
例えばイモ類やクズに含まれる成分や、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)のような作用があると言われていて、女性の美容や更年期障害に良いと言われて販売促進されていますが、一方で乳がんや子宮がんになっている女性には、エストロゲンが癌の進行を促進させると言われていますから、最悪の場合を考えて、このような食品を市場から排除しようとするなら、日本でイモやクズや大豆をはじめ、その加工食品の全てに回収命令を出して製造販売を禁止させるのが筋でしょう。
ただ、そういう話を始めたらキリがありませんよね?世の中の食品のほとんど全てが過剰摂取によって糖尿病を進行させるでしょうし、アルコール類は全ての肝臓病を進行させるでしょう。ファーストフードやジャンクフード、高カロリー食のほとんど全ては、恐らく大腸がんや直腸がんを進行させたり、もしかすると発がん性があるかも知れません。
そもそも、どんな食品だって過剰摂取すれば大なり小なり健康に悪影響が出るでしょう?アガリクスの動物実験だって、実際は有り得ない程の大量摂取を続けさせた結果だったとすれば、かなり悪意のある結論だと思えます。
違いと言えば、アガリスクは普段の食事で食すような食材でないということで、その辺の社会通念で線引きするしかありません。

アガリスクの業者さんが苦し紛れにアガくなら(寒い駄洒落ですいません)、「イモや大豆だって乳がんや子宮がんを進行させるかも知れないのに、どうしてアガリクスだけダメなんだよ?」と抵抗することでしょう。行政当局は、そういう展開を先読みして、業者の善意に委ねた行政指導という形をとったのだと思います。
そして、あとは一般市民感情に響く方法で報道することで市民感情を煽って、業者さんが抵抗できないように世論を誘導したわけです。キリンの子会社というメジャーブランドだったのは、その辺の力学を計算して、社会的影響力が大きい上、キリンにしてみればブランドイメージが大事だし、アガリクスの商売をやめても会社は潰れないから、抵抗しないでスグ止める。行政当局は、そういう相手を狙ったのだと思います。そして、多くの人たちは、大手ブランドのアガリクスがそうなのだから、他のアガリクスも推して知るべし・・・と受け止めて誰も買わなくなるから、市場そのものが無くなって行く…。

ということで、私は次の3点が言いたいのです。

(1) たとえ可能性が極めて低くても、かすかな期待にかける癌患者の選択肢として、アガリスクを市場に残すべきで、感情論で完全に排除すべきでない。信念をもって、地道にアガリクスの有用性を追求している業者まで排除するのは乱暴だ。

(2) うさん臭い商法で荒稼ぎする、汚い業者は淘汰されて欲しい。

(3) 行政は、真面目にやっている一般の業者に過剰な負担をかけないで欲しい。市民感情を煽った挙句に、過剰な規制強化をしたり恣意的な取締りをしないで欲しい。汚い業者を排除するのは行政でなく、市民が自然に排除するのが最も健全な市場の形だと思う。荒稼ぎする汚い業者ほど、儲からない商品を扱い続ける事は有り得ない。


<健康食品>アガリクスに発ガン性促進 自主回収を要請 [ 02月13日 21時28分 ]
Excite エキサイト : 社会ニュース

 厚生労働省は13日、キノコの一種「アガリクス」を含む健康食品で発がん作用が促進されるとの動物実験の結果が出たとして、「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」を販売するキリンウェルフーズ社(東京都)に対し、自主的な販売停止と回収を要請した。キ社の野中淳一社長は同日会見して謝罪し、すべてのアガリクス製品の販売中止と回収を表明した。

 学術雑誌にアガリクスで肝障害を疑う例などが掲載されたため、国立医薬品食品衛生研究所が広く流通している3社の3製品を抽出して調査。キ社の製品について、製品自体に発がん性はないものの、ラットを使った実験で発がん作用を助長する結果が出たという。厚労省によると、調査対象となった3製品のうち、キ社以外の2製品は現段階では問題は見つかっていないという。対象製品の問い合わせはキ社(0120・033・827)へ。【玉木達也】


アガリクス製品を販売中止 厚労省要請でキリン子会社 [ 02月13日 22時29分 ] 共同通信

 厚生労働省は13日、健康食品「アガリクス」を原材料とする「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(かりゅう)」に発がんを促進する作用が認められたとして、キリンウェルフーズ(東京都江東区)に対し、自主的な販売停止と回収を要請した。同時に食品安全委員会に販売停止の可否を諮問した。
 キリンウェルフーズは同日、顆粒だけでなく、錠剤を含むすべてのアガリクス商品の販売を中止、回収すると発表した。
 アガリクスはカワリハラタケと呼ばれるキノコの一種。「がんの予防効果がある」などと言われ健康食品として広く販売されている。厚労省による今回の販売停止要請は1社の製品に限ったものだが、約350億円といわれるアガリクス市場への影響は必至だ。


<アガリクス>販売禁止?で食品安全委に諮問 厚労省 [ 02月16日 21時05分 ]
Excite エキサイト : 社会ニュース

 キリンウェルフーズ社(東京都)の健康食品「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(かりゅう)」にラットの実験で発がん促進作用が確認された問題で、厚生労働省は16日、この製品を食品衛生法に基づいて販売禁止とすべきかどうか、食品安全委員会(寺田雅昭委員長)に諮問した。
 アガリクスはキノコの一種で「がんに効く」などとされる。食品の治療効果の広告は、薬事法で禁止されているが、同省によるとアガリクスの成分を含む食品は、国内で数百種類以上も出回っている。同省は、法的な販売禁止措置に踏み切る前に、安全委の意見を聞くことにした。この製品による具体的な健康被害が確認された例はないことなどが理由だという。
 委員会では「厚労省は、アガリクスを含む他の健康食品をどう扱うのか」との質問が出た。同省は「他の製品では安全委に評価してもらえるデータがない。消費者からの相談には、安全性を試験しているかをメーカーに問い合わせるなどして慎重に対応してほしいと答えている」と話すにとどまった。委員会は今後、この問題を新開発食品専門調査会で審議する。
 同社はキリンビール100%出資の子会社。製品は02年7月から5万6000箱が発売されているが、同省の指導に基づき、同社はすでにこの製品の販売を中止している。【高木昭午】
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by azatsu0422 | 2006-02-14 11:38 | 健康・薬・医療
2005年 11月 17日

冷静に受け止めるべき。

「クスリ」は裏を返せば「リスク」と読めます。劇的に良く効いて、副作用が全くないクスリが理想でしょうけど、「良く効くクスリほど、それに応じたリスクをともなう」現実を受け入れなくてはいけないと思います。その上で、「クスリの効果による社会的なメリット」の方が「リスク」よりも大きいと受け止められるかどうかを議論しなくてはいけないと思いますし、想定されるリスクを回避する術や、不幸にもリスクが現実に起きてしまった時に、どのように対処するかを建設的に議論すべきだと思います。

新型インフルエンザの大流行に向けてタミフルの備蓄量が足りない事が騒がれている中、タミフルに頼らないでインフルエンザに対処すべきという意見も出始めましたが、効果が期待できるクスリがタミフルしか無いのに、一連のニュースに過剰反応してタミフルを敬遠して感染を広めてしまったり、新型インフルエンザで死んでしまっては本末転倒だと思います。耐性菌が出現したというニュースもありますし、果たして未知の新型インフルエンザにタミフルが効くかどうかも事実が無いわけですが、他にもっと合理的で有効な手立てが無いのですから、新型インフルエンザになってしまった時、私はタミフルのおかげで生きられる期待感の方が明らかに大きいと思います。

そもそも、タミフルと2件(追記:日本国内で、異常行動など精神・神経症状は122人、うち16歳以下が70人、死亡例が12人。16歳以下は、のべ1160万人が服用との報道。)の死亡事例の因果関係は、あくまで現時点で「否定できない」ということで、決めつける事に違和感があります。タミフルは私と私の子供も含めて、既に何十万人じゃ済まないほど多くの人達が使っているわけです。因果関係があるなら、もっと多くの事例が続出しそうなものです。まるで皆がそうなるような危ないクスリみたいに受け止めるのは過剰反応だと思います。

こういう場面では、メーカーの言い分を素直に受け止められないものですが、メーカーが言うようにインフルエンザ脳症による異常行動の可能性もあるわけですし、たまたま他に悩み事で極限的に追い込まれているなか、インフルエンザで熱にうなされて突発的に自殺したのかも知れません。タミフルは発症して48時間以内に服用しないと効かない、という話を聞いた気がしますが、そうであれば、タミフルの使用が遅れてインフルエンザが進行した子供が、後からタミフルを使っても、既にインフルエンザ脳症になってしまっていた、ということがあるのではないでしょうか。小さな子を持つ親なら、子供がインフルエンザになったとき、インフルエンザ脳症になる怖さは知っていると思います。もしタミフルと死亡事例の因果関係があったとしても、その発生確率より、処置が遅れてインフルエンザ脳症に陥って死亡する確率の方が、ずっと高い気がします。

少なくとも、私自身は今の状況なら一刻も早く検査してインフルエンザの確定診断をした上で、迷わずタミフルを服用しますし、自分の子供がインフルエンザになっても、手遅れになる前に迷わず服用させるつもりです。新型インフルエンザなら、なおのことです。現時点では、一刻も早くタミフルを「注意深く」使うのが最も安全で、逆に素人考えで何日も迷っている内に手遅れになるのが最悪なのでは?ただ、こういう事例があるのですから、服用してからの行動に気をつけて、万が一のことが起きても最悪の事にならないように注意するつもりです。


タミフル副作用で異常行動リスクは高まらず=ロシュ [ 11月15日 07時52分 ]

 [チューリヒ 14日 ロイター] スイス製薬大手ロシュは14日、同社製造のインフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した日本人2人が異常行動を起こして死亡しことをめぐり、異常行動の原因がタミフルによる副作用の可能性以外に、インフルエンザ感染により引き起こされた可能性もあると指摘した。
 日本のタミフル輸入販売元である中外製薬<4519>によると、中高生2人がタミフル服用後、異常行動を起こし死亡した事例が発生したという。
 ロシュの販売担当者は記者団に対し「タミフル服用、もしくはインフルエンザ感染による神経精神病行動発症の確率はほぼ均衡である。タミフルの服用により、そのリスクが高まるということは確認されていない。しかし、今後も状況を見守っていく」と述べた。



タミフルのみ異常行動死=岐阜と愛知の少年2人 [ 11月12日 11時16分 ] 共同通信

 インフルエンザ治療薬タミフル(成分名リン酸オセルタミビル)をのんだ岐阜県と愛知県の少年2人が、直後に異常な行動を取り死亡していたことが、12日分かった。1人は昨年2月、トラックに飛び込み、もう1人は今年2月にマンション9階から転落した。
 昨年2月の事例の後に輸入販売元の中外製薬から報告を受けた厚生労働省は「薬との因果関係が否定できない異常行動による死亡例の報告は初めて」としている。

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<新型インフルエンザ対策>タミフル不足、日本の遠慮 [ 11月17日 12時45分 ]

 新型インフルエンザ発生への警戒が強まる中、治療に有効とされる抗ウイルス薬、リン酸オセルタミビル(商品名タミフル)の確保に各国が躍起となっている。日本政府も備蓄量を従来の約1.7倍に増やす行動計画をまとめたが、世界的に品薄感が漂う中、計画通りに確保できるのだろうか。【伊藤信司】
 ◇世界の7~8割を消費…「政府の危機管理に問題」指摘も
 タミフルはインフルエンザウイルスが体内で増殖するのを妨げ死滅させる薬。日本で世界の生産量の7~8割を消費している。けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫・小児科部長(臨床ウイルス学)は「タミフルが十分あれば、新型インフルエンザの入院患者や死者を3分の1に減らせるはず」と話す。
 ところが、今年は東南アジアで鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)による死者が相次ぎ、欧州でも同型が見つかったことから、先進国が人口の2~3割を治療できるタミフルの備蓄を加速させている。唯一の製造元のロシュ社(スイス)には約30カ国から注文が殺到。米国やカナダでは買いだめも起き、ロシュ社は両国への出荷を一時停止。一方、アジアではタミフルの独自生産や類似医薬品開発の動きが出ている。
 こうした中、最大消費国である日本の備蓄量が心もとないのはなぜか。「国の出足が悪かった」という批判もある。厚生労働省は昨夏、1人分を「1日2錠で3日分」として、2500万人分を5年で備蓄▽うち500万人分を国と都道府県が購入し、2000万人分は製薬会社の在庫で確保――との方針を決めた。
 ところが他の先進国は「1人分」を、十分な効果が期待できる5日分で計算しており、「日本の計画では、国と都道府県が確保できるのはわずか300万人分」(菅谷部長)という状態だった。国立感染症研究所の専門家も「5年という計画期間は悠長。国の危機管理は迅速さに欠ける」と不満をもらす。
 これに対し同省結核感染症課は「日本は従来、世界の流通量の大半を消費しており、一層の輸入増は他国に配慮せざるを得なかった」と説明する。14日に発表した行動計画では(1)2500万人分を5日分で備蓄(2)うち1050万人分ずつを国と都道府県が購入(3)国備蓄分は来年度中に確保――と対策を強化した。だが、都道府県分はあくまで協力要請で、いつ計画を達成できるかは不透明だ。厳しい財政事情を抱える都道府県側からは、国に財源負担を求める要望も出ている。
 厚労省が昨年夏に公表した資料では、タミフルの薬価は1錠約363円。1人の5日分だと3637円になる。
 タミフルについては、服用した患者が異常行動から事故死した例も報告されている。NPO(特定非営利活動)法人「医薬ビジランスセンター」(大阪市)理事長の浜六郎医師は「副作用のリスクも十分考慮し、薬に安易に頼るべきでない」と指摘する。


<タミフル>期待と懸念 どんな薬? 服用はどのように? [ 11月21日 00時48分 ]

 インフルエンザ治療薬のタミフルに、期待と懸念が寄せられている。各国が大量備蓄を計画する新型インフルエンザの治療薬としての期待と、服用後の異常行動で死者も出ているという懸念だ。米食品医薬品局(FDA)のデータでは、副作用かどうか不明ながら、服用後の死者は世界で71人に上る。タミフルとは、どんな薬か。どのように服用すればよいのか。【高木昭午】
 ◆「世界で71人死亡」報告
 タミフルの副作用は、薬の添付文書によると、発売前の臨床試験で、カプセル剤を飲んだ大人で27.5%、ドライシロップ剤を飲んだ子供で50%におう吐、下痢などの症状が出た。
 一方、こうした程度の軽い副作用とは別に、タミフルへの懸念が急速に広まっている。そのきっかけは、服用後の異常行動により少年2人が死亡したという日本の学会発表と、日本で16歳以下の小児12人が死亡していたというFDAの公表だった。FDAによると、いずれも副作用かどうかは不明だが、大人も含めた死者は全世界で71人に上るという。
 製造元のロシュ社がFDAに提出した資料によると、米国ではタミフル服用後に死亡した16歳以下の患者はいない。異常行動など精神・神経症状は日本で122人に確認され、うち16歳以下は70人。米国では計19人で19歳以下は1人だ。
 日本国内でこれだけの人数が出ている理由として、服用人数の違いも指摘されている。日本では16歳以下の患者で延べ1160万人が服用しているのに対し、米国では19歳以下で約87万人と推計されている。
 FDAは「米国では、日本に匹敵する死亡例などは出ていない」として添付文書に異常行動を盛り込むのを見送った。しかし、自宅2階の窓から飛び降りた日本人少年ら3人の異常行動を「最も警戒を要する神経症状」と位置づけ、今後2年間、副作用の監視を強化する。
 一方、厚生労働省安全対策課は「死亡と薬の因果関係は薄い」と事態を静観する。「異常行動については昨年から添付文書で注意しており、十分だ」との立場だ。
◆「通常なら必要性低い」
 タミフルの添付文書によると、効果を得るにはウイルスが増える前、発症48時間以内に飲む必要がある。熱のある期間が平均約1日縮まり、熱の高さや関節痛も緩和される。
 肺炎などの合併症を減らす効果を示した海外の論文もある。ただ、厚労省がインターネットで公表している解説資料には「合併症などの重症化を予防できるかどうか、まだ結論は得られていません」と記す。
 厚労省はタミフルを承認した際、重症化が心配される高齢者や慢性の病気がある人などについて、タミフルの有効性と安全性の調査実施を承認条件とした。同省によると、輸入販売元の中外製薬は昨冬までにタミフルの使用者約3000人のデータを集めたが、うち高齢者らは数十人で調査として不十分だった。同社はこの冬、改めてこれらについて調査する。
 では、この薬とどうつき合えばよいのか。
 インフルエンザにかかると4日程度、発熱が続くことが多い。日ごろ健康な人なら、薬を飲まなくても回復する。日本小児科学会で感染症担当の理事を務める、加藤達夫・聖マリアンナ医大横浜市西部病院長は「タミフルが必要なのは、熱が4日続いたら困るという人だ」と説明する。
 これらに該当するのは発熱期間が長引くと病状が悪化しやすい高齢者、心臓病や慢性の呼吸器病の人などだ。また、健康状態とは別に「入試が近い」「忙しい」など一日も早く治りたい場合も考えられるという。
 加藤院長は「これ以外の人には必要性はあまり高くない。でも最近は自分からタミフルを希望する患者が多い。医師は必要ないと考えても、断りにくい。飲んですぐ治る万能薬ではない」と話す。
 厚労省の解説資料はタミフルが効かないインフルエンザウイルスが現れていることも指摘し、「むやみな使用は慎むべきだ」と書いている。
◆「新型」抑制の切り札?
 同省は、新型インフルエンザ対策として、タミフル約2500万人分を備蓄する計画だ。
 新型インフルエンザは鳥インフルエンザのウイルスが変異して生じると予測され、現在のインフルエンザより格段に高い死亡率をもたらす心配がある。
 鳥と人間のインフルエンザウイルスは増殖の仕組みが似ており、ともにタミフルで抑制できる。新型インフルエンザも同様ならタミフルが効くとの期待がある。死亡率を下げられれば、服用する意味はある。
 ただ、新型ウイルスがどう変異するのか予想はつかない。このため同省結核感染症課は「本当にタミフルが効くかどうかは分からない。有効な可能性がある手段は準備する、との考えで備蓄を決めた」と説明している。
 中国や東南アジアでは鳥インフルエンザが130人に感染し67人が死亡した。国立感染症研究所の医師によると、タミフルを飲んだ感染者も複数いるが、みな発症後48時間を過ぎた後で、治療効果は判定できないという。
 ◇タミフル…インフルエンザ治療薬のリン酸オセルタミビルの商品名。インフルエンザのウイルスが体内で増殖するのを抑える効果を持つ。一般向けのカプセル剤と、子供向けのドライシロップ剤(水に溶いて飲む粉薬)がある。製造元スイス・ロシュ社の推計では、01年の発売以来、世界の服用者の約8割を占める約2450万人が日本で服用した。


タミフル短期投与も影響? 日本の異常多発でロシュ社 [ 11月19日 10時59分 ] 共同通信

 【ワシントン18日共同】インフルエンザ治療薬タミフルを服用した日本の子供の死亡や精神神経症状の報告が、米国などと比べ突出して多いと分かった問題で、製造元のスイス・ロシュ社は18日、日本でのタミフル流通量の多さなどに加え、標準服用期間(5日)より短い2-4日の投与が一般的な、日本の薬の使い方も影響した可能性があると指摘した。
 同日開催された米食品医薬品局(FDA)諮問委員会に報告した。
 諮問委は、子供の死亡とタミフル服用の因果関係について、FDAと同様に「証拠がない」と否定的な見解を発表。FDAは諮問委の勧告を受け、タミフルの副作用監視を継続すると決めた。
 FDAの集計では、タミフル承認以降、日本の16歳以下の服用者の死亡例は計12人で米国はゼロ。幻覚などの精神・神経症状は日本が31人、米国が1人だった。


<タミフル>服用と死亡の因果関係は確認できない FDA [ 11月19日 10時57分 ]

 【ワシントン和田浩明】米食品医薬品局(FDA)の小児科諮問委員会は18日、インフルエンザ治療薬のリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)を飲んだ後に16歳以下の日本の子供12人が死亡していた問題で、服用と死亡の間に因果関係は確認できないとする同局の見解を追認した。FDAは今後2年間は副作用情報の収集・分析を続け、同諮問委に報告する予定だ。
 同諮問委は若年者に適応範囲が拡大された医薬品の定期的な再検討の一環で、タミフルの副作用例についてFDAから報告を受けた。同局は、既存のデータでは服用と死亡に因果関係があるとは結論づけられないと説明、委員会側もこれを受け入れ、死亡例との関連では、副作用に関する注意書きの更新は不要と決定した。
 AP通信によると、ネルソン委員長はインフルエンザは深刻な病気で死亡する子供もいるが、「タミフルによって死亡している兆候はない」と述べた。


<タミフル>厚労省、死者集計せず「12人死亡」米から情報 [ 11月19日 05時49分 ]

 インフルエンザ治療薬のリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)を飲んだ後、日本の16歳以下の子供12人が死亡していたと、米食品医薬品局(FDA)が発表した。日本の厚生労働省はこれまで因果関係は薄いとみて、死亡例は把握しながら死亡数を統計としてまとめておらず、インフルエンザシーズンを前に、日本国民は米国から実態を教えてもらう形になった。
 同省の副作用公表は通常、患者の生死など詳しい情報を明らかにしない制度で、専門家は「副作用の分析・公表システムに問題がある」と批判している。
 厚生労働省安全対策課によると、同省は、製薬会社などから寄せられた副作用情報をまとめ、定期的にホームページなどで公表している。タミフルの場合は「04年度、異常行動、2人」「幻覚、4人」などだ。しかしタミフルに限らず患者が死亡したのか回復したのか、さらに年齢、性別などは、一部の例外を除いて明らかにしていない。
 同課は「死亡するかどうかは医師の措置にもよる。副作用の種類を公表する方が重要だと考えてきた」と話す。今回、米国が死亡例として公表した12人のうち、何人を死亡例として日本で公表してきたかは、同課でも「すぐには分からない」というのが実情だ。FDAから「日本での死者は13人か」と問い合わせを受けた際も、データは整理できておらず確認に苦労した。米国の調査対象外となった16歳を超える人で何人、死亡患者がいたかも不明という。
 FDAは、今回、2階の窓から飛び降りた日本の少年2人と、おびえた様子で車道に飛び出した日本の少年1人を、死亡例ではないがタミフル服用後の異常行動の例として公表した。しかし厚労省は「異常行動の可能性は薬の添付文書に盛り込んだ。行動の具体例は医学的には必要ない」として、3人についても公表してこなかった。
 薬の副作用問題に詳しい別府宏圀・新横浜ソーワクリニック院長は「患者が死亡したかどうかは重要で公表すべき情報だ。異常行動の具体的内容も医学的に必要だ。死者数さえすぐ確認できないようでは、副作用の十分な分析ができているとは思えない」と批判する。
 タミフルの輸入販売元の中外製薬によると、12人の死者のうち7人はタミフルと死亡との因果関係を否定できない例で、残る5人は主治医が因果関係を否定したという。【高木昭午】


<タミフル>備蓄目標に変更なし 安倍官房長官 [ 11月18日 19時30分 ]

 安倍晋三官房長官は18日の記者会見で、タミフル服用後に日本の子供が12人死亡したことについて「死亡例は厚生労働省でも把握している。専門家から聴取し、適切に処方すれば安全性に重大な懸念がある状況ではないと聞いている」と述べ、タミフル2500万人分を備蓄目標としている政府の「新型インフルエンザ対策行動計画」は変更しない考えを示した。
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by azatsu0422 | 2005-11-17 13:16 | 健康・薬・医療
2005年 10月 15日

4項目の全てが異常というのは、さすがに危ないかも。

健康診断の有効性を疑問視する指摘や報道が目立つこの頃、厚労省としては「健診が有効」という自己弁護のメッセージを送りたいでしょうし、医療費を削減させたい気持ちは切実だから、一石二鳥のデータなのでしょう。
それにしても、「肥満」「高血圧」「高コレステロール」「高血糖」の4項目全て異常というのは、さすがにヤバいな、と思いますが、1項目が異常の場合のリスクはどうだったのでしょうか?


10年後の医療費3倍に=肥満など4項目異常の人 [ 10月15日 08時24分 ] 共同通信

 健康診断で「肥満」「高血圧」「高コレステロール」「高血糖」という生活習慣病の4つの“予兆”を指摘された人は、「異常なし」の人に比べ、10年後の医療費が3倍以上かかることが15日、社会保険庁の調査研究で分かった。
 高血糖とされた人の43%が10年以内に糖尿病になったことも判明。厚生労働省は「運動や食事で生活習慣病を予防すれば中長期的に医療費を減らせることが裏付けられた。今後、健診結果に基づく保健指導を充実させたい」としている。
 調査は、中小企業の社員らが入る政府管掌健康保険の加入者のうち、健診受診率の高かった三重県の約2800人が対象で、中心は健診時に40代。1993年度の健診結果と2003年度の診療報酬明細書(レセプト)を照合した。

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by azatsu0422 | 2005-10-15 09:30 | 健康・薬・医療
2005年 05月 09日

あくまで「選択肢」の議論。

15歳以上の子供に「自らの出自を知る権利」を認め、希望に応じ「遺伝上の父」の氏名や住所を開示すべきだとした・・・とのことですが、そもそも、どうして「開示すべき」とか、画一的な対応をしようとするのでしょうか?

「知りたい子供」が「知らせて良い、会っても良い提供者」のことを知って、会いたければ対面すれば良いし、それ以外のケースは一切、知らさず会えないようにするだけのことで、現場の都合や行政の画一的な価値観で医療消費者の選択肢を奪うべきでないと思います。

「知りたい子供」が、提供者から「知らせたくない、会いたくない」と拒否された場合が「かわいそう」だから、傷つかなくても済むようにしておけば無難・・・という議論があるかも知れません。かといって、それに付き合わされて、「知りたい子供」と「会っても良い提供者」が対面する機会を奪うべきでしょうか?知って、対面したせいで、何か心変わりして社会的に思わぬトラブルがあるのでは?…という懸念もあると思いますが、だからと言って、知る権利を奪う理由にはならないと思います。

そもそも、AIDをしてでも挙児を希望した「育ての親」には、将来、子供が傷つかないだけの愛情を注ぐのは当然と期待できますから、リスクは極めて少ない・・・、と思いたいです。

医療関係者が言いたいことを察するに、「厚生省の言う通りに開示したら精子提供者が激減してしまい、AIDが現実的に出来なくなるので、開示すべきでない」ということだと思います。だからこそ選択肢を設けて厳格に運用すれば良いわけで、その「面倒臭さ」から逃げているのではないでしょうか?

だとすれば、それは供給者の論理であって、「患者主体の医療」に反することだと思います。一方、厚労省(の部会)だって、対応困難な「べき論」を現場へ押しつけるだけでなく、現場が「べき論」を実現できるように当事者意識をもってサポートすべきでしょう。


ドナーの3分の2『子知るなら非協力』 非配偶者間人工授精

 夫以外の第三者の精子を使った非配偶者間人工授精(AID)で、精子を提供した人(ドナー)の三分の二が「子どもが自分に会いに来る可能性を言われたら、提供しなかった」と考え「提供は匿名のままが良い」も90%近くに上ることが、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)の調査で分かった。AIDドナーの意識調査は初めて。
 AIDによる出産は、一九四八年の第一例以降、一万人以上とされる。
 厚労省の生殖補助医療部会は二〇〇三年にまとめた報告書で、十五歳以上の子どもに「自らの出自を知る権利」を認め、希望に応じ「遺伝上の父」の氏名や住所を開示すべきだとした。しかし、法整備は異論続出で宙に浮いており、調査結果は今後の論議に影響しそうだ。
 調査は、一九九八-二〇〇四年に慶応大病院で精子を提供した男性百二十人に調査票を送り、三十二人が回答した。二十-三十歳十三人、三十一-四十歳十六人、四十一-五十歳が二人。一人が年齢不明で、既婚者は二十三人だった。
 「あなたの提供により生まれた子が、会いに来る可能性があるとあらかじめ話されたら、提供しなかったか」との質問には、66・7%が「提供しなかった」と回答した。
 理由では「将来の自分の生活や家庭が脅かされるので怖い」「子どもに何らかの責任を取らなければと感じるから」「自分と会うことで、子どもとその家族の関係が変化してしまうのが怖い」などがあった。
 精子を提供したことを「自分の家族に話した」のは12・1%だけ。「提供は匿名のままが良い」が87・9%に上った。
 子どもが遺伝上の父親を知りたいと思うことについて「人情で仕方ない」(66・7%)と理解を示しながら、「子どもの当然の権利」との回答は18・2%にとどまった。自分の情報は「何も教えてほしくない」(45・5%)がほぼ半数を占めた。
<メモ>
 【非配偶者間人工授精】 無精子症などの夫に代わり、第三者の精子を妻の子宮に送り込み、妊娠・出産を試みる不妊治療。国内では1948年に慶応大病院で初めて実施され、1万人以上が生まれたとされる。法的規制はないが、日本産科婦人科学会が97年に独自のガイドラインを作成。学会に登録した医療施設での実施を原則とし(1)戸籍上の夫婦に限定(2)営利目的での精子提供を禁止(3)精子提供者は匿名とし、医師が提供者の記録を保存する-などを定めている。


「実の父」開示に壁 9割、精子提供は匿名で [ 05月09日 14時00分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 社会ニュース

 夫以外の第三者の精子を使った非配偶者間人工授精(AID)で、精子を提供した人(ドナー)の3分の2が「子供が自分に会いに来る可能性を言われたら、提供しなかった」と考え「提供は匿名のままが良い」も90%近くに上ることが9日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)の調査で分かった。AIDドナーの意識調査は初めて。
 AIDによる出産は、1948年の第1例以降、1万人以上とされる。
 厚労省の生殖補助医療部会は2003年にまとめた報告書で、15歳以上の子供に「自らの出自を知る権利」を認め、希望に応じ「遺伝上の父」の氏名や住所を開示すべきだとした。しかし法整備は異論続出で宙に浮いており、調査結果は今後の論議に影響しそうだ。
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by azatsu0422 | 2005-05-09 16:41 | 健康・薬・医療
2005年 04月 28日

とても意義のある活動だが、「今」の患者には間に合わない。

自分や家族ががんになった経験がある人にとって、抗がん剤による化学療法は切実です。

ステージⅠか、せいぜいⅡまでの早期がんなら、手術して取ってしまえば完治する可能性が高いでしょうけど、気をつけて小まめに検診を受けていても早期に発見できる人は幸運です。依然として、見つかった時には、すでにリンパ節や隣の臓器へ広がってしまうような場合が多い、というのが現実だと思います。

そうなれば、いくら手術で目に見えるがんを取っても、すでに見えない微小ながん細胞がリンパや臓器伝いに全身に飛び散っていて、モグラ叩きのようにあちこちに転移しますから、それを一々手術して取ってしまうにも限界があります。燃え広がった火事をハンディタイプの消火器でチマチマ消火するのに限界があるようなものだと思っています。

そういう微小ながん細胞まで一網打尽に殲滅させよう、というのが、抗がん剤だと受け止めています。多くの抗がん剤は、がん細胞だけでなく、正常な細胞まで殺してしまうので、悪評高く皆が恐れる副作用が色々な形で出るのでしょうが、「メリット(効いて助かるかも知れない可能性)>リスク(副作用のダメージ)」であれば、使用を決断したくなるのが当事者の人情です。

しかも、「全ての人」の、「あらゆるタイプのがん細胞」を「絶対に」やっつける、「万能の抗がん剤」が無いのも現実でしょう。遺伝子治療やオーダーメイド治療が発達して、その人のDNAとがん細胞を採取したら、最も効果的で副作用の少ない抗がん剤が判る・・・みたいになれば良いのでしょうけど、今は手当たり次第に試して、経験値を積み重ねている状況だと思います。

患者本人にしてみれば、保険が利く安いクスリで、絶対に効いて、副作用のない抗がん剤が一番ですよね。でも、日本で承認された抗がん剤には限りがあるし、海外で評判の抗がん剤でも日本で承認されてないと、法律や倫理上、簡単に使えないうえ保険が利かないから治療費が高くなるわけです。

それも、保険の利かない治療をすると、一連の全ての治療に保険が適用されなくなるから、何百万とか、1千万円を超える治療費になったりして・・・。それでも絶対に効くなら家を売ってでも覚悟できるかも知れませんが、「もしかしたら、効くかも知れない」みたいなレベルでですよ。簡単に決断できません。

だから、AがダメならB・・・だけでなくて、取りあえず国内で調達できる抗がん剤を片っ端から組み合わせてみて、「A+B」、「B+C+D」、・・・みたいに試行錯誤する人もいることでしょう。その時、○○がんを治療するのに、AとBは○○がんのクスリという承認だけど、Cは△△がん、Dは××がんのクスリとして承認されていたら、本来の使い方と違うから、倫理上の問題が生じますし、本来の使い方なら保険が利くけど、そうでないから保険はダメ・・・みたいなことが生じます。

しかも、○○がんに「B+C+D」を使って、効果が無かったり、副作用でヘンなことになったら最悪です。でも、そんな試行錯誤の中から「効いた!」というケースも出て来るわけです。

厚労省の意図は、根拠となる結果を集計して、良い組み合わせの抗がん剤があるなら、積極的に承認して、倫理面の筋を通して、しかも保険適用で使ってもらおう、ということだと思います。

でも、「今」すでにがんの人にとって、来秋の発表→それから承認の審査→承認→医療現場での適用・・・というのは、気が遠くなるほど先の話。しかも、それが自分のがんに効くモノになるか判らない状況です。当事者にとっては、恩恵にあずかれそうにない、切ないニュースです。

そんな中ででも、がん治療の合理化は進んでいるようです。術前化学療法と称して、手術よりも先に抗がん剤でがんを小さくしたり、全身に飛び散っているかも知れないがん細胞を出来るだけやっつけてから、残った部分を手術で取るようになっているようです。

ただ、医療現場の中には相変わらず外科医と内科医の縄張り争いが激しい実情があるようです。抗がん剤に詳しい内科の医師と、主治医の外科の医師がチームを組んで連携すればいいのに、外科医はクスリに凝るより手術をするのが本業のせいか、自分の仕事が無くなることを恐れているのか、それとも内科医に頭を下げるのがイヤなのか、今ひとつチグハグしている感じです。

患者の当事者としては、この辺の治療方針や治療体制を自分の目で見極めて、お世話になる施設と主治医の先生を自ら指名することが生死を分けると思っています。一人で何もかも高圧的で断定的に仕切る、昔ながらの外科の主治医は、一見、カッコ良くて頼り甲斐を感じますが、荒っぽい治療になってしまう気がしてなりません。


<抗がん剤>併用療法、使用実態調査へ [ 04月28日 01時39分 ]
Excite エキサイト : 社会ニュース

 独立行政法人・医薬品医療機器総合機構は5月から、国立がんセンターや特定機能病院などを対象に、厚生労働省の検討会が認めた抗がん剤併用療法について使用実態を調査する。173施設が対象で、100近い施設が協力すると回答している。
 各施設で行われた併用療法の全症例を1年間、情報収集し、副作用の発生率や原因を分析。その情報を医療機関や製薬会社に伝え、再発防止につなげる。重篤な副作用が判明した場合は厚労省などに連絡する。全体の調査結果は来年秋ごろ、発表する。
 複数の抗がん剤を使う併用療法は学会などで有効とされていたが、薬事法で承認された抗がん剤でも、がんの種類によっては未承認のため、事実上、併用療法に用いられない問題があった。そこで厚労省は併用療法の有効性と安全性を研究し、必要な効能の承認申請を迅速化するため、04年1月、検討会を設置。検討会は今年2月に報告書を発表し、21の併用療法について認めた。【玉木達也】
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by azatsu0422 | 2005-04-28 20:04 | 健康・薬・医療
2005年 04月 28日

権威にしがみついた学者が、医師として患者から逃げた。

かつて、安部被告の記者会見を断片的に見た印象は、最悪でした。

当時は未知のことが多々あったエイズに対して、安部被告は「科学者の社会正義」と「当事者意識」をもって立ち向かうべき立場の人でした。

それなのに、「権威主義的」に威張って、そのくせ「自分だけ良い子」みたいにヒステリックな声でわめいて、しかも「やっかい事に巻き込まれた被害者」みたいな態度で、とにかく逃げ腰でした。そこには「病気を防ぎ、患者を治す」医師の志など微塵も感じず、ただ権威にしがみつき保身で頭の中がいっぱいな醜い老人、って感じでした。

多分、創造力は無いけどテストの成績だけは優秀で、偏差値の高い優等生、ってタイプだろうな、と思いました。昔の学者は欧米の権威筋の研究成果や定説を日本へ持ち込み、日本語に翻訳して、さも自分の考えであるかのように高飛車な態度で講釈すれば、誰もが頭を下げてくれてカッコがついたのでしょうから、まさに適任の人材だったと思います。

日本の学者が「知識の輸入」よりも、「知識の創造」をしないと生きて行けなくなってきた時代に、旧態依然の権威主義でズレたことをやったせいで、日本のトップクラスを標榜する学者なら、当然、想定すべきワーストケースを警告できなかったのです。

安部被告に学者と医師のプライドがあったなら、結果論であれ、「想定すべきワーストケース」を想像できなかった「創造力の欠如」に対して、安部被告は起訴されるまでもなく、自ら過失を認めて有罪を宣言すべきでした。それが、医師として患者に対する「最低限の償い」だったと思うのです。


安部元副学長の公訴棄却 一審無罪で公判停止中死亡 

 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われて一審東京地裁で無罪判決を受け、控訴審で公判停止中に88歳で死亡した安部英・元帝京大副学長について、東京高裁(河辺義正裁判長)は13日、公訴棄却の決定をした。
 薬害エイズ事件のうち血友病患者の被害に関する事件は、刑事責任についての結論が出ないまま終結した。
 安部元副学長は、エイズウイルス(HIV)に汚染された輸入非加熱製剤を1985年に血友病の男性患者に投与、91年にエイズで死亡させたとして起訴されたが、東京地裁は2001年3月「被告に過失はない」として無罪を言い渡し、検察側が控訴した。
 02年11月に控訴審の審理が始まったが、東京高裁は04年2月「被告は高度の痴呆(認知症)状態で心神喪失と認められる」として公判停止を決定していた。
 今年4月25日、心原性ショックのため都内の病院で死亡した。


安部元副学長の公訴棄却 1審無罪で公判停止中死亡 [ 05月13日 11時50分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 社会ニュース

 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われて1審東京地裁で無罪判決を受け、控訴審で公判停止中に88歳で死亡した安部英・元帝京大副学長について、東京高裁(河辺義正裁判長)は13日、公訴棄却の決定をした。
 薬害エイズ事件のうち血友病患者の被害に関する事件は、刑事責任についての結論が出ないまま終結した。
 安部元副学長は、エイズウイルス(HIV)に汚染された輸入非加熱製剤を1985年に血友病の男性患者に投与、91年にエイズで死亡させたとして起訴されたが、東京地裁は2001年3月「被告に過失はない」として無罪を言い渡し、検察側が控訴した。


安部元帝京大副学長が死去=薬害エイズ1審無罪=差替 [ 04月28日 00時45分 ] 共同通信
Excite エキサイト : 主要ニュース

 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われ、1審東京地裁で無罪判決を受けた後、控訴審で認知症(痴呆症)のため公判が停止されていた帝京大の安部英元副学長が25日午後6時44分、心原性ショックのため都内の病院で死去した。88歳。山口県出身。葬儀・告別式は親族だけで執り行う。喪主は未定。
 東京高裁は、近く公訴棄却の決定をする。
 製薬会社、旧厚生省、専門医の複合過失が引き起こしたとされる戦後最大級の薬害事件で、血友病治療の権威とされた医師の刑事責任追及は、結論を得ることなく幕を閉じることになった。
 東大講師だった1971年、帝京大教授に迎えられた。日本血栓止血学会理事長、日本血液学会長などを歴任、83年に設置された厚生省エイズ研究班では班長を務めた。


<訃報>安部英被告88歳=元帝京大副学長 薬害エイズ事件 [ 04月27日 21時50分 ]
Excite エキサイト : 社会ニュース

 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われて1審で無罪となり、控訴審中に高齢に伴う心神喪失で公判停止されていた元帝京大副学長、安部英(あべたけし)被告が25日、心原性ショックのために死去した。88歳だった。葬儀は近親者のみで行う。死去に伴い公訴は棄却される。安部被告の起訴事実と同じ血友病患者の被害者については、元厚生省生物製剤課長、松村明仁被告(63)の無罪も確定(他は有罪で上告中)。500人以上の死者を出した血友病患者への製剤投与に対する刑事責任追及は、結論が出ないまま幕を閉じる。
 東京高裁は今月13日、安部被告の弁護側による無罪判決を求める申し立てについて「無罪にすべき明らかな場合に当たらない」との異例の見解を発表していた。
 安部被告は1916年山口県生まれ。東京帝大医学部を卒業し、71年に帝京大医学部教授、80年に医学部長、87年に副学長に。83年には厚生省エイズ研究班長となり、エイズ感染の危険性が指摘された非加熱製剤の使用中止に強硬に反対し被害を拡大させた。
 85年5~6月、帝京大病院に入院していた血友病患者に非加熱製剤を投与させ、91年に死亡させたとして96年に起訴された。東京地裁は01年「感染の予見は困難だった」と無罪(求刑・禁固3年)を言い渡し、検察側が控訴。だが心臓病による長期入院などで弁護側が公判停止を申し立て、東京高裁が昨年2月、公判を停止していた。
 ◇川田龍平さん「残念の一言」
 東京HIV訴訟原告団の川田龍平さん(29)は「残念の一言。ショックです」。起訴は被害発生の約10年後で「着手が遅すぎたから真相解明できないまま終わってしまった」と唇をかんだ。東日本の起訴事実の男性被害者は「『感染しているから結婚できない』『就職できない』。そう考えるたびに安部被告に怒りをぶつけてきた。この先どうすればいいのか」と天を仰いだ。【小林直】
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by azatsu0422 | 2005-04-28 18:32 | 健康・薬・医療