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2006年 12月 01日

「企業カネ持ち」に異議あり。

私は零細業者の勤め人の立場として安倍政権の政策に賛成で、法人税や減価償却費制度の見直しをすぐやって欲しいと考えています。で、そういう立場と考え方から、伊藤忠商事の丹羽会長のコメントに異議があります。

総務省・労働力調査(速報・平成18年10月分結果)によると、
企業の従業者(規模別)は、
1~29人規模: 1694万人 (35%)
30~499人規模: 1852万人 (38%)
500人以上規模: 1307万人 (27%)

総務省・平成16年事業所・企業統計調査結果によると、
資本金階級別での企業数(構成比)は、
500万円未満: 37.9%
500万~1000万円未満: 12.6%
1000万~3000万円未満: 40.6%
3000万~1億円未満: 6.8%
1億~10億円未満: 1.5%
10億~50億円未満: 0.2%
50億円以上: 0.1%

大企業中小企業区別は、従業員数と資本金、さらに業種によって異なるので、上記のデータは単純に大企業と中小企業に仕分け出来ませんが、粗く資本金1億円で区切ってみると、

~資本金1億円未満の企業数: 98%
資本金1億円以上の企業数: 2%

ということになります。

記事によると、

> 国民からは『企業金持ち、個人貧乏』とも言われている」
> (丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長)

というコメントがあって、いかにも国民の声を代弁していますが、中小企業の中でも、特に零細会社(従業員数30人未満)に勤める私としては、「企業も個人も貧乏」だと言いたいわけです。

そして、わずか2%の伊藤忠商事のようなデカい会社で、マクロ経済の良さを直接的に享受できる立場とは全く異なります。

約153万社ある日本の大小様々な企業は、地殻変動を起こした地球の荒海を航海する大小様々な船みたいなものだと思うのですが、最新鋭の大きな豪華客船の乗心地が皆の総意みたいに言われてしまうことに違和感を感じるのです。そういう立場の人って、せいぜい3割じゃないでしょうか。

異論は多いと思いますが、私は自分の給料を上げたければ、ダダをこねる前に自分の勤め先が給料を上げられる状態にするのが先だと考えます。だから、消費税を先送りにしながら、法人税率の引き下げと減価償却制度の見直しを急げば、少なくとも中小企業のカネ回りも良くなって、内需活性化につながると思います。当分は給料据え置きで忙しいばかりになるでしょうが、勤め先が潰れたりリストラされる恐怖に怯えながら仕事にしがみつくよりマシだと思います。

そして、そういう状態を経てから、たとえばサービス残業に対して、正当な残業代が支給されるといった形で、ようやく中小企業の勤め人にも収入が上がって来るのだろうと思います。そこまで行けば、国内の個人消費も活発になって、景気の実感が出てくるかも知れませんし、一部のとっぽい人達によるバブルの再来もあるでしょう。懐かしの?ベースアップ要求といった声が高まるかも知れません。

でも、多分そうなる前に消費税がドーンと上がってしまうでしょうし、そうなれば国内消費が全体的に調整局面に陥ると思います。だから、いずれにせよ昔のような右肩上がりの年功序列的なベースアップの復活は望めないだろうな、と諦めています。

そんな中で、どうやって自分の収入を増やすか、増えるのか?

・ 残業代をちゃんと支給してくれる会社で、死ぬほど残業する。
・ 高給で処遇してくれる業種・職種に就く(就職・転職・昇進)。
・ そのために、技能を含む全人的な能力を磨いて、自分を上手く売り込んだり、色々なご縁を大事にしながら、後は運に身を委ねる。
・ 切り詰めて?捻出したタネ銭を元手に、財テクする。
・ 起業して事業を軌道にのせる。まとまったカネが欲しければ、起業した会社の株を公開して会社を売却する。

モラルや節操を考えなければ、

・ 副業で収入を得る。
・ 宝くじを買う。
・ 公営ギャンブル(競輪・競馬・競艇…)

いずれにせよ、私としては、バブリーな高収入や資産を得ること自体よりも、ささやかであれ自分自身が納得できる仕事の充実感を自己実現に据えながら、家族をはじめ公私共々すべての人間関係の円満を得て、そのために必要十分な経済基盤を確保しておきたい一心です。

あとは、自分のことばかりじゃなくて、寄付とボランティアも出来るようになりたいものですが、器量が小さくて…(恥)

<< 追記 >>

> 法人税のかわりに所得税を下げるという方法もあると思います。
> 国内消費を伸ばすことによって、企業の収益も伸びることになると思うのですが。
> 現状は輸出による稼ぎが大きいわけですが、このままでいるとまたアメリカあたりから無理難題をふっかけられかねません。

このようなご指摘をいただきました。拙文を読んでいただき有難い次第です。
「個人消費の刺激が先か、企業の回復が先か」という議論は、結果論でしか言えない以上、とかく水掛け論に陥りがちです。私も神様じゃありませんし、専門家でもありませんので、議論はかみ合いません。最終的には最もマシだと思える政治を投票行動で支持するのみです。

先ず私の基本認識ですが、国の財政が破綻して日本中が夕張市みたいになってしまう事態は小泉政権後の今でも常に現実味があるわけで、日本に住む日本人である以上、他人事には思えません。
国の支出の無駄は当然、見直す一方で、我々の痛みを抑えながら、いかに国の収入を自然に増やすか?という方法論が、個人消費をともなう景気回復と国家財政健全化を両立させるポイントになると考えています。

勿論、一人の国民として所得税を下げてもらえば嬉しく有り難いのですが、人の心はちゃっかりしたもので、大幅に減税されても素直に喜べないものです。で、減税されても赤字の家計の穴埋めで終わってしまい、支出が増えにくい反面、ちょっとでも増税されると支出マインドがギューっと冷え込んでしまうと思うのです。これは、含み損のある家のローンを抱えている人や、教育費を削れない家族持ちの人、介護の必要な家族を抱えている人など、多くの人にとって切実だと思います。

現に、消費税が3→5%になった時の個人消費の冷え込みの反面、減税措置があった時には「当然」といった反応で、特に個人支出が緩んだ実感がなく、逆に減税措置が解除されてしまうと増税された気分になり、緩みかけた個人支出が再び引き締まってしまう、というのが私の実感です。

ご指摘は、
「個人消費が緩めば、企業の業績が向上するから、先に個人消費を緩ませろ」、
「マクロ経済が好調と言っても輸出で稼いでいる大企業の連中だけで、挙句の果てに不調なアメリカの自動車業界から貿易摩擦のような政治圧力をかけられるのがオチだ。いっそのことリッチな連中を狙い撃ちにして税金をまきあげて、そのぶん国内で汲々としている人達の税金を軽減すれば内需拡大につながるかも?」
ということになると思いますが、私の見解は相容れません。

先ず、世間で先に買い物をするのは、個人よりも企業の方だと思います。何故なら、個人は食事を我慢してでも支出を抑えますが、企業は活動する限り必ず何かに支出します。だから、企業が支出しやすい環境にする方が、世の中全体でカネが良く回り出すと思うのです。

それから、マクロ経済が好調なのは、それはそれで良い事です。少なくともそうでなくちゃ、国内の隅々にまでカネを回せませんから。対米経済摩擦の指摘は、過去の経験を踏まえて、政治に期待するまでもなく企業の方が賢くなっていると思うので、さほど心配していません。現に、自動車業界は現地生産でご当地の雇用と経済に欠かせない存在になっているでしょうし、今やトヨタのハイブリッド車などアメリカの消費者にとって価値のある魅力的な商品を供給する企業です。敢えて心配するなら次期大統領が民主党になった時に日本企業がイジメられる可能性です。

それよりも、今の段階の法人税や減価償却費制度の見直しは、マクロ経済だけでなく、中小企業対策につながると思えるのです。

とにかく中小企業は、大企業との力関係から収益性が圧迫されて資金繰りが辛いものです。今の状態では、前向きな事業展開が出来る会社は限られていて、少なくとも私がいる会社はその日暮らしで汲々です。そして、同じような会社は多いのではないでしょうか。

でも、多くの中小企業は国内需要・国内消費に直結しています。だから、中小企業が元気に商売をすれば、自ずと国内のカネ回りが良くなると思います。何しろ、コストを切り詰めて利益を出しても、4割を法人税に取られてしまううえ、設備投資などの借金の返済は経費じゃなくて、税金を払った後の最終利益から払うので、とてもカネが貯まりません。貯めようとしても、内部留保するのに、さらに税金を取られるのです。とにかく税金を取られずに資金繰りをまともな形に戻して、設備投資をしたり前向きな商売をしなくちゃ、イイ仕事を取って来れないじゃないですか。

小渕政権の頃だったか、莫大な額のカネをバラまいても、個人に落ちるカネはわずかで、とてもバブル期のような支出をする気分にはなれませんでした。先述の減税措置のおかげで、汲々の家計が致命傷を負わずに済んで、確かに助かりました。でも、そうは言っても国の財政が悪化するだけで、少なくとも我が家の個人消費を回復させる気分にはなれませんでした。

やはり、頑張った仕事に応じて所得が増える期待感と、その実現があってこそ、健全な消費マインドが盛り上がるのではないでしょうか。

そして、仕事を頑張って、頑張りに応じた報酬が支給されるようにするには、企業自身が前向きな仕事をして売上と収益性を向上させるしかありません。そのためには、マクロ経済が良くなったのなら、次は国内の中小企業を元気にさせる施策が必要だと思うのです。


<法人税>実効税率引き下げ検討 政府税調が答申明記 [ 12月01日 03時02分 ]

 政府税制調査会(首相の諮問機関)の07年度税制改正答申の全容が30日、明らかになった。法人税の実効税率(国税と地方税の合計)について「企業部門の活性化が家計部門に波及し、プラスの効果をもたらす」として引き下げが検討課題であると明記。株式投資への優遇税制は07年度中の期限切れで廃止すべきだとの考えを示したが、株式市場を混乱させないような経過措置の導入を求めた。1日の総会で正式決定し、安倍晋三首相に提出する。
 法人税の実効税率引き下げについては「国民からは『企業金持ち、個人貧乏』とも言われている」(丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長)などといった批判があり、当初は答申に明記しない方向だった。しかし、政府税調内では「安倍政権発足後、初の政府税調答申として経済活性化の観点から言及すべきだ」との意見が強く、「今後の検討課題として引き下げの問題が提起された」との表現を盛り込むことで一致した。
 減価償却制度については、設備取得費を損金として計上できる上限(取得費の95%)を撤廃。技術革新のスピードが速い設備は耐用年数を短縮し、短期間で損金計上できるようにすべきだとの考えを示した。損金計上額の拡大や耐用年数の短縮は企業のもうけを小さくするため、法人税などの負担を軽減する効果がある。
 ベンチャー投資を促す「エンジェル税制」は、対象企業の範囲を拡大するよう提言。税率の低い国の子会社に利益をつけかえるのを防ぐ「移転価格税制」については、企業と国税当局との見解の違いが相次いで表面化しているため、適用基準の明確化や係争中の納税を猶予する制度の導入を求めた。【山本明彦】


先端設備の償却期間短縮 政府税調の答申全容判明 [ 12月01日 02時00分 ]
共同通信

 政府税制調査会が安倍晋三首相に12月1日に提出する来年度税制改正に関する答申最終案の全容が30日、明らかになった。目玉となる企業設備の減価償却制度について、液晶、プラズマのような「技術革新のスピードが速く、使用年数が短いものは、早急に法定耐用年数を短縮すべきである」と明記、先端設備の償却期間短縮を打ち出している。
 来年度税制改正・予算編成の最重要課題に浮上した道路特定財源の改革に関し、揮発油税と自動車重量税を名指しし、「現行の税率水準を維持し、納税者の理解を得つつ、一般財源化を図るべく、年内に具体案を取りまとめるべきである」と踏み込んでいる。
 法人税については「実効税率引き下げの問題が提起された」として、企業の税負担の国際比較など調査・分析を進める方針を示すにとどめているが、委員の中には異論も残っている。


設備の償却限度額を撤廃 政府税調、1日答申へ [ 11月29日 20時11分 ] 共同通信

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は29日、非公開の会合を開き、2007年度税制改正の答申素案を固めた。(1)企業設備の減価償却制度の償却限度額を撤廃する(2)証券優遇税制は原則廃止するが、市場への悪影響を及ぼさないように配慮する-などが柱。
 企業関係では安倍政権の成長重視路線に沿い、同族会社の留保金課税や、ベンチャー企業への投資を優遇する「エンゼル税制」の見直し、経営者が子孫に事業を承継する場合の相続税などの軽減措置拡充など、経済活性化を狙った減税を幅広く盛り込んだ。
 30日にまた会合を開き、細部の詰めを行った上で、1日の総会で正式決定、安倍晋三首相に提出する。


地方税収2年連続増加 05年度、景気回復で [ 11月30日 21時49分 ] 共同通信

 2005年度の地方税収が景気回復に伴い、前年度比1兆2656億円(3・8%)増の34兆8044億円に達し、2年連続で前年度実績を上回ったことが30日、総務省がまとめた全自治体の決算で分かった。
 昨年暮れに決着した国と地方財政の三位一体改革に伴い、07年度には国から地方への3兆円の税源移譲が実施されることもあり、総務省は06、07年度も増収が続くとみている。
 05年度の税収では、好調な企業収益に支えられ、法人住民税と法人事業税の「法人2税」が前年度比9328億円(13・0%)増え、全体を押し上げた。
 内訳は都道府県税が15兆2269億円で、5・1%増。市町村税が19兆5775億円で、2・8%増だった。


企業優先の減税ズラリ 政府税調答申 [ 12月01日 17時10分 ] 共同通信

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は1日、首相官邸で総会を開き、2007年度税制改正に関する答申を取りまとめ、本間正明会長(大阪大大学院教授)が安倍晋三首相に手渡した。企業の設備取得費を非課税扱いにできる減価償却制度の拡充、中小・ベンチャー企業の支援など企業減税をズラリと並べた。
 法人税減税については「実効税率引き下げの問題が提起された」とし、年明けから議論する方針を示した。社会保障の安定財源確保にも配慮する考えを示したが、消費税への言及は避けた。
 従来の増税提案を並べた政府税調答申から転換。安倍政権の経済成長重視姿勢を色濃く反映し、企業活動の環境整備に力点を置いている。ただ、07年度からは所得税・住民税の定率減税の全廃が既に決まっており、個人増税と並行して企業減税が進むことに反発も出そうだ。
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by azatsu0422 | 2006-12-01 11:33 | 経済