1 2006年 05月 22日
「親が子供をロクに食わせてなくて、栄養失調になる」という表面的な事実は、敗戦直後の日本みたいな話ですが、でも、その本質は全然違って、心の面では今の方が貧しくて悲惨なのかも知れません。 敗戦後の配給品だけでは餓死してしまう時代は、食材を求めて一家総出で闇市や郊外の農家に行ったものだと聞かされたことがあります。順法精神を守り配給品だけで生活しようとした法律家が栄養失調で死んだというニュースがあったそうですから、恐らく当時の人達は生きるためにほとんど全ての人が法を犯していたのでしょう。農家からせっかく米や野菜を分けてもらって来ても、統制経済の建前から、駅などで警官に見つかると捕まって没収されるため、警察の目を逃れるために必死な思いをしたようです。貧富の格差は今に始まったことでなく、昔も給食費が出せない極貧の子がいたようです。 子供達はいつも腹を空かせていたから、進駐軍の米兵に群がってお菓子をねだり、川や池の魚をとったり、すずめをとったり、神社や寺、林で椎の実を拾い、柿の実をとったりして、それが遊びと実益を兼ねていたようです。 でも、その頃は、皆で何とか食いつないで生きようとしていたのだろうと思います。親も必死で子供を食わせるために働いていたはずです。皆が「生きよう」としていたと思います。 勝手に想像すると、このニュースの子供の親は経営の厳しいコンビニを回して行くのに必死なのだと思います。多大な借金を背負って店を立ち上げて、重いロイヤリティの支払いや、本部の厳しい指導に耐えて、店員を雇えずに出来る限り夫婦でやりくりして・・・、という様子が目に浮かびます。 昔は「子供を食わせるため」に働いていたのに、この夫婦は、いったい何のために働いているのでしょう?コンビニ経営が行き詰って借金が返せなくなる恐怖から逃れるために、最愛であるはずの子供を捨て置いているのでしょうか。 もし、こういう状況があるならば、校長先生には「本末転倒だ!」と親へ一喝して欲しいものですが、今どき、こんな一喝をする方がヘンなヤツだと思われてしまいそうですね?教育って何なんでしょうか。 それから、本来、子供はガキ(餓鬼)と呼ばれるだけあって、食に貪欲なはずです。それは、子供が純粋無垢で、生きる者の生命力の本質が食欲にあるからだと思うのです。ところが、そういう欲求が退化しているようで、このニュースの子は栄養失調を起こしているのに、この期に及んで好き嫌いがあるとのこと。「生きるためには何でも食べろ!」と一喝したいところですが、これも、そんな一喝をする方がヘンなヤツに思われてしまいそうですね? ただ、往時の給食で飲まされた脱脂粉乳(スキムミルクみたいなもの?)は、臭くてマズくて、いかに腹を空かせた子供でも、飲むのが辛かったそうです・・・。 「家族を食わせるために働き、生きるために食う。」ということを正論として説教できない世の中に、今どきの悲惨さを感じます。 貧しくて飢えていても、一家で助け合いながら、皆の目がキラキラ(ギラギラ)していた時代と、モノがあり余っているのに、一家バラバラで生きる気力も萎え、澱んだ目でマッタリと、ゆるーく過ごす現代を比べると、私は昔の時代を過ごした人達を羨ましく思います。 いちど知った快適な生活を「失う」ことの恐怖心はありますが、これからは「飢える」ことが「幸せな気持ちで生きる」ための鍵になるのではないかと思いました。 <栄養失調児>校長見かねて、こっそり牛乳飲ます [ 05月22日 03時00分 ] Excite エキサイト : 社会ニュース 家で与えられる食事はコンビニエンスストアの期限切れのおにぎり、菓子パン――。栄養失調が疑われる児童に、校長がこっそり牛乳を飲ませている小学校がある。校長は「家庭のしつけまで学校が引き受けるのはどうかと思うが、(劣悪な食事の)限度を超えている」と嘆く。食育基本法が昨年夏施行され、国は朝食を取らない小学生をなくそうと呼びかけるが、法の理念とかけ離れた現実に学校現場から悲鳴が上がっている。 この学校は東京都内の公立小。校長によると、04年春の新入生に体がやせ細り、元気のない男児がいた。授業中きちんとした姿勢を保てず、ぼんやりしていることも少なくなかった。 昨年4月、男子児童に話を聞くと、コンビニを営む両親から販売用のおにぎりや菓子パンを毎日のように与えられているという。校長は栄養を補うために、給食の牛乳を冷蔵庫に保管、他の児童に知られないよう校長室で毎日飲ませた。 その後も児童の食生活に改善は見られず、賞味期限切れの食品を与えられていることも分かった。児童も好き嫌いがあり、校長がスープを与えても飲まなかった。栄養失調も疑われたため、見かねた校長は今年3月、保護者を学校に呼び出し、「今は成長期で、脳がつくられる大事な時期。きちんとした食生活をさせないと困る」と諭した。 母親は「(食事を)作っても食べない」と戸惑った。「食べるように(食材を)小さく切るなど工夫していますか」とたたみ掛けると、両親は互いに責任をなすり合い、けんかを始めたという。 同校には数年前、「一日の食事はおにぎり1個」という児童がいたが、栄養状態が切迫したため施設に保護してもらったという。校長は「家庭の機能低下は現場で実感している。状況は悪化の一途だ」と憂える。今も男児と別の児童計2人に牛乳を飲ませている。 政府は食育基本法に基づき今年3月、食育推進基本計画をスタートさせた。そこでは「朝食を欠く国民の割合の減少」を目標に掲げ、10年度までに朝食を取らない小学生をゼロにするとの数値目標を盛り込んだ。 都教委の昨年の調査で「朝食を必ず取る」と答えた小学生は79.7%、中学生は70.2%。逆に「食べない」「食べないことが多い」という小学生は5.1%、中学生は11%だった。【高山純二】 ▲
by azatsu0422
| 2006-05-22 19:14
| 社会
2006年 05月 19日
まず、GIDは医学的根拠のある不幸な疾患です。 記事によると「GIDの診断を受けた人は全国で延べ約4000人」。潜在的な患者さんも含めれば、もっといるかも知れません。少なからぬ人数だと思いますが、1億2千数百万人の日本の中では少数派(単純計算で10万人に3人少々。実感としては、もっといそうな気がする…)です。 ただ、医学的に解明し切れていない事も多々あるようですし、診断と処置のガイドラインがあるものの、社会性や法的整備も考えると現時点は成人への対応で精一杯という状況の模様で、医学的な小児期のGIDは現実の発症と議論はあっても、未だ整備されていないようです。 だから、今回のニュースは日本のGID問題に携わる研究者と当事者に、新たな一石を投じると思います。GIDが医学的に認められて10年経ち、このようなニュースが知れ渡るようになると、今後は小児のGIDをカミングアウトする人も増えて来るだろうと思うからです。そして、それは「多数派の論理」で否定する筋合いのものでなく、前向きに取り組むべき課題だと思います。 ![]() 「性」とか「ジェンダー」は、実はすごく概念が奥深く複雑なようです。定義や概念を勘違いしたまま軽はずみにこれらの言葉で語ってしまうと、ブログなら炎上する恐れがあります。 しかも、性的志向としての「異性愛」「同性愛」「両性愛」は、あくまで別次元の分類だそうで、さらに単なる倒錯として異性の服装を好む「服装倒錯症」という概念もあり、あくまでこれらは別の問題のようです。また、先天的にそうなのか、後天的にそうなったのか・・・によっても事情が異なるようです。 そして、GIDにこれらの問題が合併しているケースもあるわけです。心の問題ですから、なかなか見た目に判る物理量で測れないだけに、これらを綺麗に分類するのが大変だと思います。 一般人の感覚だと、同性愛者と混同するうえ、同性愛者に対する偏見に満ちた視点で見てしまいがちですし、人によっては感情論となってしまうせいか、どうしても収拾のつかぬ混乱に満ちた議論になってしまうようです。 でも、いちばん葛藤して深く傷つくのが当事者であることは、事実です。生まれつき先天的な障害があったのです。当事者に何も罪はなく、ただ「神に選ばれた子」だったのです。小児期から発症していても、今のようにカミングアウトできず、親にも認められず、ひたすら葛藤しながら成人するまで耐えていたはずです。何しろGIDという概念が医学的な疾患として認められてから、未だ10年しか経っていません。自分の状態を科学的に説明できなければ、葛藤しながら我慢するしか無かったことでしょう。ストレスのあまり深刻な抑うつ症状になって自殺未遂を繰り返すケースも少なくないそうです。 当事者に何か罪があったのでしょうか?私の隣人にGIDの人がいたら、ケガをしている人や妊婦、老人に席を譲るのと同じ感覚で、私は救いたいと考えますが、こんな私は偽善者でしょうか? そして、GIDの当事者に接する人は、とにかく過剰反応しないで当事者を受け入れて、お互いに意識しないで済むように普通に接すれば良いだけだと思うのです。現実的な問題が、着替えやトイレ、入浴の問題なら、その場に応じて少し譲り合う配慮をすれば済むこと。大騒ぎすればするほど、結果がどうあれ当事者が傷つくと思います。電車で席を譲るよりも簡単で楽なことです。 とかく見た目の違和感は、差別やイジメの対象になりやすいものですが、これは今に始まった問題でなく、何につけても共通する事。隣人に対する少しの思いやりで、全て収まる話だと思うのです。 <性同一性障害>これからの問題も… 兵庫の小2受け入れ [ 05月18日 13時02分 ] 性同一性障害(GID)と診断され、体は男児だが女児として通学している小学2年生。地元・兵庫県内の教委が保護者側の意向を受け入れたことに、専門家らは一定の評価をする。しかし、水泳授業、性教育……。学年が進み体が成長するにつれて直面する現実がある。男児の「心の性」をどう受け入れるのか。教育現場や地域社会も問われている。 ■教育委員会 会見した地元の教育委員会によると、男児は5歳のころ、母親に「おちんちんは取れないの?」と問いかけ、自分が男児であることへの違和感を訴えた。兄と同じ少年野球教室に通わせようとすると、かたくなに拒み、バレエ教室に通わせると喜んでいたという。 女児として学校生活にとけ込んでいるが、5年生になると、学校行事として合宿が行われ、その際、クラスメートと一緒の入浴もある。第2次性徴を迎える時期で、その際の対応について教委は「状況をみて慎重に対応したい」と話しているが、子どもたちが神経質になる時期であり、多くの課題が残っている。 ■当事者たち 当事者団体「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(東京都)によると、GIDの診断を受けた人は全国で延べ約4000人いるといわれ、国内外で既に性別適合手術を受けた人は1000人程度とみられている。昨年末までに約370人が戸籍上の性別変更を家裁に申し立て、約330人が認められた。 同性愛者であることを公表した大阪府議の尾辻かな子さん(31)は「学校や教育委員会が本人の意思を尊重した対応」と評価する一方、「幼いころの性別への違和感は将来揺らぐこともある。まだ思春期を迎える前に、GIDの診断を受けたのは早すぎる気もする。性の多様性に目を向けた対応が必要だ」と慎重さも求めた。 男性から女性に性別を変更した東京都世田谷区議の上川あやさん(38)は「第2次性徴や思春期の前で、慎重にみなければならない時期ではあるが、体の性に対する本人の嫌悪感が強いのならば現実的な対応。大人の『事なかれ主義』で子どもが置き去りにされることを避けた点で評価できる」と話す。 ■識者 教育評論家で法政大キャリアデザイン学部の尾木直樹教授は「人権を尊重した先駆的な行政判断」と評価しながらも、今後、いろいろな問題が起こると指摘する。「現在は女の子とプールに入ったり、体操をしたりできるだろうが、小学4年生ぐらいになるとクラスメートも気づきはじめ、周りとの関係が難しくなるだろう。教師やクラスメートの父母らは、善意のつもりでむやみに動くようなことはしないほうがいい」と慎重な対応を求める。 尾木教授によると、北欧では同様の実例があるといい「そうした事例を研究している専門家や精神科医、カウンセラーと早急にプロジェクトチームを作り、保護者や子どもにヒアリングをして今後の接し方を考えていくべきだ」と話した。 ◇依然高いハードル 性同一性障害(GID)をめぐる社会環境は厳しく、横浜市の男性が勤務していた出版社から女装を理由に解雇され、地位保全の仮処分を申し立て、02年6月に認められたケースもあった。一方で、同年3月に女性として活動していた競艇選手、安藤大将さん(当時は千夏)が、男性としての活動を認められた。03年には戸籍上は男性の大阪市の職員が女性として勤務を始めた。 03年7月には家庭裁判所の審判で戸籍の性別を変えられる特例法が成立、04年の施行後にタレントのカルーセル麻紀さんが男性から女性に、作家の虎井まさ衛さんが女性から男性に、それぞれ戸籍を変更した。しかし、GIDの人たちでつくる団体などは「依然ハードルが高い」と指摘、子供がいないことなどを変更要件とする同法の改正を求めている。 <性同一性障害>小2「女児」として学校生活 兵庫 [ 05月18日 11時33分 ] 兵庫県内で暮らす小学校2年生の男児(7)が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」(GID)と診断され、昨年の入学時から女児として通学していることが18日、分かった。地元の教育委員会が保護者側の意向を受け入れ、女児として学校生活を送っている。04年7月施行の特例法で、成人した性同一性障害者が戸籍の性別を変更することが可能になったが、低学年の児童が公的な場で障害を認められる例は全国的に珍しい。 会見した教育委員会によると、男児は幼少期からスカートやぬいぐるみが好きという兆候が見られた。5歳の時、保護者が兄と同じ少年野球教室に入れようとしたところ、嫌がって食事をとらない日が続いたという。 母親が近くの病院に相談したところ、「男女を区別せず、本人が望むようにさせてみては」とアドバイスされたため、通っていた保育園に女児の服装で通わせ、プールでもビキニタイプの水着を着せると元気を取り戻したという。 小学校に女児として受け入れてもらおうと、大阪の病院で専門的な検査を行い、GIDの診断書を得て学校に提出。教委、学校関係者と2度面談した後、女児としての受け入れが決まった。入学後、出席簿は女児の欄に入れられ、トイレや身体測定も女児として過ごしている。 教委によると、入学させる際、教職員全員には説明したが、文部科学省、県教委には報告しておらず、PTAにも説明していないため、実際の性に気付いていないクラスメートが多いのではないかという。 教委は「今後、体の性に戻ることがあったとしても、対応出来るよう態勢を整えたい」としている。 性同一性障害学会理事長の大島俊之・神戸学院大学法科大学院教授は「学会で大学生や高校生の事例の報告はあったが、小学生のケースが公になったのは初めてではないか。体の性別よりも、心の性別に応じた今回の方針は良い対応だと思う。さらに体の男性化が進む小学校高学年になるまでに、周りの児童の理解力に応じた説明をすることも今後の課題だ」と話している。 ▲
by azatsu0422
| 2006-05-19 17:58
| 健康・薬・医療
2006年 05月 15日
松井秀選手のケガは、外出中に地下鉄の売店で貼り出された夕刊紙の見出しで知りました。かなりショック。かと言って誰に言える話でもなく、淡々と仕事を済ませて、その合間に携帯でニュースを見て…。 契約更改、WBCへの不参加・・・、今季に期す強い覚悟と、万全の準備を重ねて来たであろう日々・・・。開幕序盤からの一進一退。チームも不安定で、これから行くぞ・・・という場面で、痛恨のスライディング・キャッチ。・・・何も言えません。ゴジラが最善を尽くしたプレーだったのですから・・・。 それにしても、監督とチームメイトをはじめ、日米のファン、そして長嶋サンやイチロー選手、日本球界のうるさ型OB、それから辛口な米国メディアやネガティブな捉え方一辺倒の日本の夕刊紙までが、松井秀選手を非難せずに離脱を惜しみ、彼の謙虚なコメントを素直に受け止めてネガティブに反応せず、早期の復活と更なる活躍を心待ちにしている様子が報道から伝わって来ますが、現役で仕事をしている世代で、今どきこれほどの扱いを受ける人物がいるでしょうか?どんな記録よりも世知辛い現世であるだけに、尊敬すべき事実だと思えます。 あとは、驚く早さで治ることと、恐るべき不屈の精神で早期復活、チーム合流早々に目の覚めるような華々しい一打でヤンキースを盛り立てて欲しい・・・と祈るばかりです。 NY地元紙、松井秀の誠実な姿勢に感動 ヤンキースの松井秀喜外野手は12日(現地時間)、レッドソックス戦で骨折した左手首の手術後に談話を表明。それが、“辛口”で知られるニューヨークメディアの心を打ったようだ。 ニューヨーク地元紙『デイリー・ニュース』は14日、守備中のアクシデントにもかかわらず、ケガによる離脱を素直に謝罪した松井の真摯(しんし)な姿勢を高く評価した。 松井は「ケガをしたことで、チームメートに迷惑をかけて申し訳なく思う。連続試合出場を考慮して毎試合起用していただいたトーリ監督には心から感謝しています」という談話を残した。このコメントに対して同紙は、「松井こそがアスリートのあるべき姿」と絶賛した。 同紙によると、選手から本音を聞きだすことは非常に難しく、意味が誤って伝わることもしばしばあるという。しかし、松井が今回残した「シンプルでとても心のこもった内容の談話」は、米メディアの心をとらえた。 -Kotaro Okada- [ スポーツナビ 2006年5月15日 9:49 ] 松井秀退院!長嶋さんも2度の激励電話 [ 05月15日 08時05分 ] サンケイスポーツ 【ニューヨーク13日(日本時間14日)】ミスターから緊急生電話!! 11日のレッドソックス戦(ニューヨーク)で骨折した左手首の手術を12日に受けたヤンキースの松井秀喜外野手(31)が、当地の病院を無事に退院した。松井秀は術後の痛みがあるため、公の場には姿を現さなかったが、この2日間に巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(70)から2度の電話があったことが明らかになった。ゴジラは恩師の激励を胸に、一日も早い復活を目指す。 まだ患部に痛みはあるが、自然と笑みがこぼれる。松井秀のつらい2日間が終わった。 「24時間がこんなに長いとは思わなかった。きょうからはテレビをみて、自分の部屋でヤンキースを応援します」 広岡勲広報(39)を通じてコメントを発表した松井秀。本来、この日の午前中に退院する予定だったが、術後の痛みを抑える鎮痛剤の副作用で数時間眠り、現地時間の午後2時50分に退院した。病院側は車いすを用意したが「大丈夫です」と自力で歩行。器具で固定した左腕を肩から布でつった状態で、球団職員が運転する車に乗り込んだ。 けがや痛みには強いゴジラだが、手術の麻酔が切れると激痛との戦いだった。「きのうが一番痛かったみたい。夜も熟睡はしていないと思う」と広岡広報。さらに今後は、過酷なリハビリが待っている。そんなゴジラにこれ以上ない“援軍”が登場した。長嶋終身名誉監督だ。 ミスターから“愛の生電話”。松井秀が負傷し、病院に運ばれた直後、すぐに国際電話がかかってきた。処置などで出ることはできなかったが、術後の前日12日に再び電話連絡。同広報によれば松井秀は「(連続出場について)起用し続けてくれてありがとうございました」と謝辞を述べていたという。 92年のドラフト会議で自分を引き当ててくれたのがミスターだった。1768試合という連続出場記録は、長嶋監督政権下の93年から始まった。「巨人の4番は見に来てくれるお客さんのためにも毎試合、姿を見せなければならない」。そんなミスターの“教え”で出場記録は続いた。 レッドソックスと激しい地区優勝争いを展開していた昨年9月には、まひの残る右手で書いた「最後まであきらめないで頑張れ」との直筆メッセージを受け取った。その色紙は自宅の書斎に飾ってある。優勝への激励はいま、復帰への“激励”に変わった。 「(松井は)一生懸命に明るくしようとしているのがみてとれます。冗談をいえば返ってきます」(広岡広報)。 明るさが戻った。決してひとりではない。海の向こうで、温かく見守ってくれる恩師がいる。ゴジラはきっと、一回り大きくなって、グラウンドに戻ってくる。 イチローが松井秀に“エール”…「この後イヤな相手になる」 [ 05月14日 08時05分 ] サンケイスポーツ 【アナハイム(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)】マリナーズのイチロー外野手(32)が、左手首を骨折したヤンキース・松井秀喜外野手(31)について「この後はイヤな相手になると思う」と独特の表現でエールを送った。この日、エンゼルス戦に『1番・右翼』で出場し、5打数2安打した“天才打者”も、ゴジラの復活を信じている。 メジャーでプレーする同じ日本人選手として、黙っていられなかった。長期離脱が決まった松井秀に対して、イチローが独特の言い回しで復活を願った。 「(連続出場記録が)けがで切れるのは、やっぱりつらいだろうね。ただ僕としては、この後イヤな相手になると思いますよ」。松井秀が大けがを克服して、さらなる成長をとげることを予言した。長いリハビリを乗り越えることで、精神的にたくましさを増し「イヤな相手」に変貌するというのだ。 オリックス時代の99年、イチローも連続試合出場が死球のため763試合で途切れた。「僕は(連続出場を)目標に置いていなかったけど、けがをしたときはものすごく悔しかったですよ」。日本時代の忘れられない悔しさを糧にしたからこそ、その後の栄光があったのだ。 この日のエ軍戦は大敗したが7試合連続安打となる2安打で、打率も3割目前まで迫った。ひとつ年下の松井秀は、高校時代に練習試合で戦った仲でもある。「強くなって戻ってこい」という先輩の言葉は、ゴジラの胸にどう響くだろうか。 トーリ監督から熱いメッセージ…ヒデキよ、プレーオフで待ってる! [ 05月14日 08時05分 ] サンケイスポーツ ![]() 日本はもちろん、全米が衝撃に包まれた左手首骨折から一夜明け、ゴジラが復活への第一歩を歩み始めた。現地時間12日の朝、ニューヨークの病院で約2時間の手術。幸い複雑骨折ではなく、1箇所ですんだ橈骨(とうこつ)の折れた部分をピンで固定した。 「けがをしたことは残念だし、チームに迷惑をかけたのが申し訳ない。また元気にグラウンドに立てるよう頑張ります。連続試合出場については、毎試合、起用していただいたトーリ監督にとても感謝しています」 手術後、広岡勲広報(39)が松井秀のコメントを発表した。巨人時代からゴジラの喜怒哀楽を見てきた広岡広報だが「ショックは大きいと思うけど、表情的には和らいでいました」と、落ち着いている様子を説明した。 全治などについて、正式な発表は明かされていないが、関係者の話を総合すると、骨折部位は手首の付け根、腕時計をはめる辺り。左腕をギプスで固定し、2、3週間後から本格的なリハビリを開始するという。 いずれにしても、これで日米通算1768試合連続出場を続けてきた“鉄人”の長期離脱が確定。トーリ監督は報道陣に「最低でも3カ月。早くてもシーズン後半だろう」と慎重に復帰時期を示したが、その裏では残った選手に強烈なゲキを飛ばしていた。 「ヒデキはビッグ・ガイ(大切な選手)だ。彼がいなくなるのは痛い。たぶん、レギュラーシーズンでの復帰も難しいだろう。でも、きっとプレーオフには戻ってきてくれると思う。その日まで、みんなで力を合わせて頑張ろう!!」 アスレチックス戦前、緊急ミーティングを開いた名将は、選手を前に熱く語ったという。その話を報道陣に明かしたジョニー・デーモン外野手(32)も、このゲキを受け止め「オレたちがベストを尽くすしかない」と改めて気合を入れていた。 チームのことは心配せず、完全に治して戻ってこい-。監督、同僚からのエールを受けた松井秀が、プレーオフに向けて奇跡の復活を遂げる。 ヤ軍非常事態!松井秀、シェフィールド離脱で戦力低下必至 [ 05月13日 08時05分 ] サンケイスポーツ 【ニューヨーク11日(日本時間12日)】ヤンキースを襲った松井秀喜外野手(31)の左手首骨折、長期離脱。チームは『3番・右翼』を任されているゲリー・シェフィールド外野手(37)も故障者リスト入りしており、主力打者2人を欠く非常事態布陣にジョー・トーリ監督(65)は困惑の表情だ。また主将デレク・ジーター内野手(31)ら選手も危機感を強めた。 ゴジラのいない試合後のロッカーには言いようのない静けさが漂っていた。ただの1敗では済まされない。松井秀の長期離脱という事態の重さをトーリ監督以下、全員が重く受け止めていた。 「残念で仕方ない。これまで、彼(松井秀)抜きで戦うのを考えたことがない。だが、いなくなった以上はいてくれたらいい、などとは言っていられないんだ」 絞り出すようにしてトーリ監督は語った。「出たい」ゴジラと「使いたい」トーリ監督の考えはピタリと一致し、米国でも連続試合出場記録は前日まで続いてきた。それがまさかの暗転。松井秀の15日間の故障者リスト入りとケビン・リース外野手(27)の昇格を急きょ決定したが、開幕から主に5、6番を打ってきた松井秀の代わりが務まるかは、はなはだ疑問だ。 ゲリー・シェフィールド外野手(37)も左手を痛め故障者リストに入っている現状。当面はリースに加えてベテランのバーニー・ウィリアムズ外野手(37)、さらに若手のメルキー・カブレラ外野手(21)、ブッバ・クロスビー外野手(29)に中堅のレギュラーを務めるジョニー・デーモン外野手(32)を加えた布陣でやりくりしていくことになるが、戦力低下は否めない。 「最悪だよ。ヒデキは毎日、計算できる選手だからな。誰かが代わりに出ていってヒデキがやっていたのと同じ仕事をするのは大変だよ」 チームにあふれる危機感を主将のジーターは言葉にした。2003年の入団以来、不動のレギュラーを張り、好守の要だった松井秀の穴をいかにして埋めるのか。6年ぶりの世界一を目指すヤ軍にとっては、頭の痛い問題だ。 ヤンキース、悪夢の3連戦(1/2) ニューヨークを襲った「松井骨折」の衝撃 2006年05月12日 (岡田弘太郎) ![]() ■ 突然訪れた“悪魔の瞬間” その瞬間、球場全体が凍りついた。 11日(現地時間)、レッドソックスとの首位攻防3連戦の第3戦。1回表の無死一塁という場面で“悪夢の瞬間”は訪れた。2番打者マーク・ロレッタの放った浅いライナー性の打球を捕球しようとしたレフトの松井秀喜は、スライディグキャッチを試みグラブを伸ばした際、地面に引っ掛ける形で左手首をひねった。顔をしかめてうずくまる“55番”の異変に気づいたジョニー・デーモンが、センターの定位置から駆けつける。ただごとではないと察知したトレーナーがベンチを飛び出し、しばらくすると、松井はトレーナーに支えられながらフィールドを後にした。 ■ ニューヨークを襲った「松井骨折」の衝撃 野球規則によると、連続試合出場を継続するためには最低1イニングの守備に就くか、打席に立って出塁、あるいはアウトになることが条件となっている。そのため5回が終了し、この試合が成立した時点で、日本のプロ野球時代から続いていた松井の連続試合出場記録は日米通算1768試合で途絶えることとなった。松井退場のショックが覚めやらぬ中、さらなる衝撃のニュースが舞い込む。病院での検査の結果、松井の左手首のけがは骨折であることが判明したのだ。しかも、緊急手術を要する重傷。これには、米メディアも直ちに速報を出すなど、ニューヨークに衝撃が走った。 現時点で松井の復帰時期はめどが付いていないが、仮に長期離脱となればヤンキースにとって大幅な戦力ダウンは避けられないだろう。結局ヤンキースは主軸選手離脱のショックから立ち直れぬまま、終盤レッドソックスに逆転を許し、この試合を3-5で落とした。ライバル相手にまたしても接戦での弱さを露呈した形だが、この日の敗戦が単なる1敗以上の落胆をチーム内に与えたのは間違いない。 ヤンキース、悪夢の3連戦(2/2) 左腕エース・ジョンソンの乱調 2006年05月12日 (岡田弘太郎) ![]() ■ 不安を残すジョンソンの乱調 「みっともない試合。みんな駄目だった」 9日に行われた第1戦終了後の会見で、監督室のいすに深く腰掛けたジョー・トーリ監督は、珍しく語気を荒げて言い放った。本拠地で今季初めて宿敵レッドソックスを迎えたシリーズ初戦は3失策、2暴投がすべて失点に結びつく悪循環で、今季ワーストの14失点。ヤンキースにとって間違いなく今季最悪と言える試合内容だった。中でも、先発しながら4回途中に5安打5四球、7失点でノックアウトされたランディー・ジョンソンは、初回から自慢の速球が痛打されるケースが目立った。ボールに昨季までの勢いはなく、「どこか体調でも悪いのか?」と思ってしまうくらい、ただ投げているだけというような弱々しい印象を受けた。試合後、「自分の投球がまったくできなかった。具体的にどこが悪いかは現時点では不明だ」と話す表情からは、かつて“ビックユニット”と呼ばれた迫力は消えうせていた。開幕から防御率5点台と不調に悩む左腕は、今後に大きな不安を残した。 一方の打線も、レッドソックスのエース、ジョシュ・ベケットに完全に力負けし、ジェイソン・ジアンビーの2点本塁打のみに抑えられる寂しい内容。そこには3連戦前まで5連勝中だった勢いはみじんもない。電光掲示板に映し出された「3-14」という無惨な結果に、ファンの深いため息が球場を包んだ。 ■ 9年連続地区優勝に早くも黄信号 結局この3連戦は、ヤンキースが1勝2敗と負け越して幕を閉じた。しかしながら、1ゲーム差で首位を明け渡した事実以上に、ヤンキースにとっては痛みだけが残るシリーズとなった。 今回の首位決戦は、帝国復活の狼煙(のろし)を上げる絶好の機会となるはずだった。今季開幕当初から、勝つときは大勝、負けるときは接戦というような不安定な戦いが続いていたヤンキース。だが最近の5連勝で復調の兆しを示していただけに、ゲーム差なしで首位に並ぶライバルをたたいて、一気に波に乗りたいところだった。しかし、その思惑はエースのノックアウト、そして松井の離脱という最悪の事態であえなく崩れ去った。 11日の試合後、松井の離脱についてトーリ監督は「復帰まで3カ月はかかるだろう」との見解を示した。12日に手術を受ける松井の復帰時期の見通しは、現時点では立っていない。すでにゲーリー・シェフィールドを故障で欠くヤンキースにとっては、2人のレギュラー外野手を同時に失うだけでなく、本来なら4番と6番を打つべき打線の核を失ったことになり、大幅な得点力低下が懸念される。この3連戦でヤンキースが失ったものは、あまりにも大き過ぎる。出口の見えない左腕エースの不振と、常にフィールドで戦い続けた主軸選手の長期離脱は、ヤンキースの今後の戦いに暗い影を落とし、9年連続地区優勝に早くも黄信号をともらせた。 <了> ▲
by azatsu0422
| 2006-05-15 18:10
| スポーツ(特集・松井秀喜)
2006年 05月 15日
そもそも何が順当なのか私は良く解りませんが、コメンテーターが順当と言うような選考結果であれば、「サプライズが欲しかった。」「過去の実績よりも現時点の調子と期待度で選ぶべきだ。」「面白味がなく期待感が薄い。」「(自分が贔屓にしている)○○選手が選ばれたら良かったのに」 逆に、誰かにとって想定外のサプライズがあって、その人にとっての当確漏れでも起きようものなら、「そのメンバーでは勝てない。」「ジーコは言って来た事とやる事が違う。」「(漏れた選手の)今までの実績は何だったのか?」「○○組を贔屓した。」「期待感で選んで結果が出なかったら、どうするんだ?」 結局、「ジーコよりもサッカー経験があり、サッカーを良く解っていて、選手をジーコより詳しく知っていて、内外の誰もが納得するだけの説明責任を果たしつつ、今からでもジーコよりもオレが指揮する方がワールドカップで結果を出せる。」と断言できる人、その責任(切腹するとかクビになる事よりも、最後までフォローするという意味)を取れる人は、世界中のどこにもいないと思います。どんなメンバーであれ、ジーコが選んだジーコ・ジャパンが今の日本にとって最善だと思います。 <サッカー>日本代表、W杯前にVならず スコットランド戦 [ 05月13日 21時39分 ] Excite エキサイト : スポーツニュース サッカーの国際親善試合、キリンカップ最終戦が13日、5万8648人の観客を集めて埼玉スタジアムであり、日本代表は0―0でスコットランド代表と引き分けた。日本は1分け1敗(勝ち点1)で2年連続の最下位。優勝は1勝1分けのスコットランド(同4)で、1勝1敗のブルガリア代表(同3)が2位。6月9日に開幕するワールドカップ(W杯)ドイツ大会に向けた強化が仕上げの段階となった日本代表は、国内組のみで臨んだ国内最後の国際Aマッチを勝利で締めくくることができなかった。W杯登録23選手は15日に東京都内で発表される。 △日本0―0スコットランド△ 互いに無得点のまま引き分けた。5バック気味に引いて守るスコットランドに対して日本が終始攻め続けたが、前半43分、ゴール前での小野のシュートがGK正面を突くなど、決定力を欠いた。後半終了間際にも三都主の2度のFKがいずれもGKに阻まれ、相手を上回る15本のシュートを放ちながら、最後までゴールを割れなかった。 ▽日本・ジーコ監督 最後まで自分のため、観客のため戦う意思は感じられて満足している。日本で最後の試合というより勝ちたかった。 ▽スコットランド・スミス監督 守りに照準を合わせた試合だったが、GKと守備陣がうまく守った。無失点の引き分けに持ち込めて良かった。日本は運がよければ得点できたと思う。 ▽日本サッカー協会・川淵三郎会長 けが人が大したことがなかったのは良かった。何度も同じことだが、決めるところで決めないと。これから23人が一体となってチーム作りに励み、4年間に培ったすべてをW杯で出してほしい。 ▽日本サッカー協会・田嶋幸三技術委員長 結果には満足していないが、攻守ともすきを見せず、しっかりとボールを回すわれわれの戦い方はできたと思う。スコットランドが規律正しいサッカーをして、非常に良い経験になった。 ◇日本はW杯までに、緩急をつけた連係を高める必要 W杯での戦いを想定するには十分な展開であった。まず相手が、がっちり守ってきたこと。リードを奪われた場面で相手が安全第一を選択したことが想定できる。そして、スコットランドの大半の選手が、日本が1次リーグ初戦で対戦するオーストラリアと同様、イングランドでプレーする選手で、身体能力が高かったこと。 その厚い壁をどう崩すかは、日本にとっては絶好のシミュレーションで課題を残した。 日本は15本のシュートを放ったものの無得点に終わった。シュート力以上に、攻めに緩急がなかったのが気になる。相手に奪われないように中盤で丁寧にパスを回して、サイドに展開、ゴール前のパスと組み立てはできた。ジーコ監督は「これだけチャンスを作った。ゴールが決まらないのは精神的な部分が多い」と指摘する。 しかし、同じテンポでは相手が間合いを詰めやすく、日本がシュート態勢に入ると、相手は鬼気迫る勢いで迫った。この状況では、シュートを冷静に放つのはなかなか難しく、多くがブロックされた。 ただ、ヒントになるプレーもあった。前半43分、左サイドから三都主が直線的に早いパスを入れて、小野がGKと正対する決定的場面を作った。ゆっくりと攻めてきた三都主が一瞬でギアを上げたことで、相手の対応を遅らせることができたのである。すると、余裕を持ってシュートの態勢に入ることができる。 日本はW杯までに、緩急をつけた連係を高める必要がある。ジーコ監督は「W杯への準備は、23人の選手リストを提出してから本格的に始まる」と話したことがある。中心となる中田英、中村が合流して、どう攻撃を熟成させるか。本大会での成績は、本当に最後の調整期間にすべてがかかることになった。【小坂大】 ◇W杯1次リーグ突破、道のりは険しい…? W杯へ向けた国内での代表戦がすべて終わった。ジーコ監督はW杯登録23選手の選考はこれまでの実績を重視すると公言しているが、選手たちがこの2試合を国内組に与えられた最後のチャンスと思うのは当然だ。それだけに選手たちの表情に明るさはなかった。 交代出場した佐藤寿は前線で好機を作ったもののシュートを打てずに終わった。「点を取ってこいと送り出されたので満足できない。代表から外れたからといってモチベーションが下がるわけではない」と覚悟を決めた発言。フル出場した玉田の表情もさえない。「(ジーコ監督の)期待は感じます。自分のよさを見せられたとは思うけど、すべては見せてない。おれはまだまだできる」と自らに言い聞かせるよう。 4バックでの攻撃的MFとしては代表初先発だった遠藤。表情にいつもの明るさはない。「この2試合がすべてではない。今までの3年半の中で、しっかりアピールできた。どきどきはしていない」と強気に話した。チーム最多の5本のシュートを放つ一方、不用意なミスでボールを失う場面もあった小笠原は無言のまま立ち去った。 ジーコ監督は試合後会見で「4年間数多くの選手と一緒にできた。欧州組も含めてこれまでの貢献度、生産性を公平な形で考えて決めたい」と改めて語った。すでに胸の内にリストは完成しているのだろう。ロッカールームでは「漏れてもモチベーションを落とさずに」と選手たちに声をかけたという。【辻中祐子】 ○…GK川口が終始安定したプレーで勝ち点1に貢献した。スコットランドのクロスボールをタイミングの良い飛び出しでキャッチ。後半30分過ぎ、ゴール前で相手と交錯しピッチにうずくまったが、プレーを続ける闘志を見せた。けがは右腕の打撲程度で問題はないという。攻撃陣の決定力不足については「何かのきっかけで変わるはず。本大会に取っておきますよ」と最後は笑顔だった。 得点力不足が常に指摘されている日本代表。野性味あふれるエースの本格的な復活が期待されている。 ○…日本ベンチが肝を冷やしたのは、後半開始直後。相手選手と交錯した中沢が頭を強打し、そのままこん倒した。担架でピッチ外に運び出された後、立ち上がったものの、まだ足元がおぼつかない。結局、頭をタオルで押さえたまま退いた。9日のブルガリア戦では村井が左ひざのじん帯を断裂する重傷を負って離脱したばかり。相次ぐ選手の負傷に、ジーコ監督も心配そうだった。 ○…左サイドバックに入った三都主は「得点できなかったのが残念。3点は取れないまでも1対0で勝ちたかった」と悔しさをのぞかせた。前半43分、強烈な左クロスをゴール前に入れ、小野の決定的なシュートにつなげたが、全体に守りを意識したプレーが目立ち消化不良気味だった。W杯に向けては「自信はあるが改善点もある。ちょっとの差が勝負の分かれ目になる」と表情を引き締めた。 ○…ブルガリア戦で1ゴールを挙げた巻だったが、この日は不発。後半17分に久保に代わってピッチに立ったものの、残り28分間で1本のシュートも打てなかった。「ゴールを一番の目標でやっていたが、引いて守られてなかなか崩せなかった。でも、やれることはやった」。最後にアピールできなかった悔しさを押し殺し、15日のW杯代表発表に望みをつないでいた。 ★中沢は軽傷 サッカー日本代表のDF中沢佑二(28)=横浜マ=は、13日のスコットランド戦の後半開始直後に相手選手との接触で右まぶたを切り、出血してそのまま退場した。1針縫ったが、脳しんとうなどの症状はないという。 日本、スコットランドとドロー…W杯前国内“集大成”は消化不良 [ 05月14日 08時05分 ] サンケイスポーツ Excite エキサイト : スポーツニュース キリンカップサッカー2006(13日、日本0-0スコットランド、埼玉スタジアム)ジーコ任せた! サッカー日本代表がドイツW杯前の国内最終戦、キリン杯第2戦でスコットランドと0-0で引き分けた。ジーコ監督(53)は手応えを示したが、最下位フィニッシュで消化不良のファンも多かったはず。ただ、昨年のキリン杯も最下位で不安が渦巻く中、直後のW杯アジア最終予選に連勝してドイツ切符をつかんだ。そう、ここまできたら信じるしかない。ジーコ頼んだ!! 霧雨の中、真っ青に染まったスタンドに渦巻いたのはタメ息ばかり。ドイツW杯前最後の国内試合は0-0ドロー。しかし、率いるジーコ監督は力強く口にした。 「今まで自分がやってきたことに確信をもたらすいい内容だった。うちの強い意志と技術があいまった試合だった」 W杯出場8度の古豪スコットランドとの対戦。2点差以内の負けで優勝が決まる相手は、5バックに近い超守備的布陣を敷き、日本は何度もゴールへ襲いかかった。前半24分、DF加地の左足ミドルは右ポスト直撃。同43分にはMF小野がゴール目前からシュートもGKに阻まれる。結局は相変わらずの決定力不足を露呈したが、ジーコ監督は相手8本の倍近い15本のシュートを評価した。 「技術」でゴールへと進んだ。9日のブルガリア戦の20本と合わせ計35本のシュートを乱打。得点はブルガリア戦で決めたFW巻だけで「便秘のよう。出たいけど出ない…」ともどかしさを明かす一方で「うちの球回しでシュートには至った。欧州の強豪を相手に常にこれほどのチャンスを作れる代表は世界的に見ても少ない」と自信を明かした。 そして選手たちは「強い意志」でゴールへ向かった。「あれだけ相手に引かれると厳しいがよく我慢した」とうなずく。日本の先発11人の平均体重73キロ。これを8キロも上回る同81キロのスコットランドに何度も行く手を阻まれたが必死に進んだ。4バックの守備陣も零封。W杯1次リーグで当たる豪州やクロアチアの強い肉体にも立ち向かえる感触を得た。 もちろん、スタンドのタメ息は相当な消化不良を表す。キリン杯は1分け1敗で最下位…。W杯前の国内最終戦を飾れずドイツへの不安を感じた人もいたはずだ。だが昨年もこの大会で2連敗で最下位となり、その屈辱を糧に直後のW杯アジア最終予選突破へとつなげた。 W杯メンバー23人発表前の最後の一戦で、W杯後に退任するジーコ監督にとっては日本国内での最終戦。「公平に選びたい」という苦悩に満ちた決断は15日に出る。試合後は選手を集め「選ばれる人も選ばれない人も4年間ありがとう。みんなに感謝している」と言葉を送った。 いよいよ最終ステージへ。慢性的な決定力不足を「便秘」と表現した言葉には実は続きがある。 「一瞬の何かによってバーッと出ることもある。それを期待したい」 日本列島に向けたメッセージ。ここまできたら神様を信じよう。ジーコ監督の瞳には、霧の向こうにドイツでの栄光が見えている。 <サッカーW杯>ジーコ監督一問一答 久保が外れた理由は? [ 05月15日 15時27分 ] 15日にサッカーW杯日本代表の登録23選手を発表したジーコ監督の一問一答は以下の通り。【デジタルメディア局】 ――一番悩んだところは。 すべてのポジションで悩んだ。欧州でプレーしている選手と国内組との融合が難しく、練習量も少なかった。そんな中で国内組が技術、精神面で非常にレベルアップし、最終的には1つのポジションで2人以上が同じくらいのレベルに達した。その中から23名を選ばなければならなかったが、それは自分のプロとしての決断。メンバーから漏れてしまった選手も、サッカーを選んだ者の宿命と思い、強い気持ちで次につなげてほしい。 ――FW5人の理由は。 後ろの選手にするか前線の選手にするか悩む中、玉田が良さを発揮した。得点が必要な場面で3トップにした場合は、スピードを生かして2列目から飛び出す彼の特徴が生きる。松井もすばらしい選手だが、中盤に同じような能力を持った選手が多かった。 ――久保が外れた理由は。 久保はすばらしい選手で、彼のプレーは個人的にも大好きだった。しかし、いまはコンディションが悪く、能力を発揮できていなかった。最後まで考え抜いた結果、こうなった。それでは(骨折でリハビリ中の)柳沢はなぜ選んだかということになるが、周りの選手や自分の経験からもわかるが、骨折はしっかりとしたリハビリをすれば、復帰後すぐにいい動きができる。リハビリを見る限り動きがよく、本大会でも期待できると判断した。逆に中途半端なコンディションで臨むと、チームの足を引っ張るおそれがある。とくにフィジカル面はだましきれない。自分も選手時代に苦い経験をしたので、このチームでは起こってほしくないと思った。 ――予備の選手は考えていないか。 名をあげて準備してもらおうとは考えてない。もちろん、けがなどがあったら考える。前回大会で、ブラジル代表の中核だったエメルソンがけがをし、リカルジーニョが抜擢された例もある。 ――監督として臨むのは、選手のときとどう違うか。 3回出場した選手時代は、自分のコンディションだけを考えればよかった。(98年W杯の)テクニカルコーディネーターのときは、すべてのバランスを考え、代表が円滑に進む雰囲気作りを重視したが、これは監督をする上で非常に役立った。自分は4年前の就任当初から自由を掲げてきた。ときには理解を得られず、厳しい意見もあったが、物事を強いても日本サッカーはこれ以上伸びない。自分で考えない限り、選手の進歩はない。自分と同じ時期に他国で就任した監督の何人かは、結果出ずに辞任を余儀なくされた。だから、いまこの場で(W杯に臨む)23選手を発表できたことは幸せ。そして、多くの方に生中継でこの発表会見を見てもらえるほどの関心事にまでなった日本サッカーの発展がうれしい。 サッカー=日本代表23選手が決定 [ 05月15日 15時48分 ] ![]() [東京 15日 ロイター] サッカーの日本代表ジーコ監督が15日、都内のホテルで6月9日に開幕するワールドカップ(W杯)ドイツ大会に出場する代表23選手を発表した。 欧州組の中田英寿(ボルトン)や中村俊輔(セルティック)、高原直泰(ハンブルガーSV)らが順当に選ばれたほか、FW巻誠一郎(ジェフ千葉)が代表入りするサプライズもあった。 日本は3大会連続でW杯に出場する。 日本代表登録メンバー23選手は以下の通り GK 川口能活(ジュビロ磐田) 楢崎正剛(名古屋グランパスエイト) 土肥洋一(FC東京) DF 宮本恒靖(ガンバ大阪) 加地亮(ガンバ大阪) 三都主アレサンドロ(浦和レッズ) 中澤佑二(横浜F・マリノス) 田中誠(ジュビロ磐田) 坪井慶介(浦和レッズ) 駒野友一(サンフレッチェ広島) 中田浩二(FCバーゼル) MF 中田英寿(ボルトン) 中村俊輔(セルティック) 稲本潤一(ウェスト・ブロムウィッチ) 小野伸二(浦和レッズ) 遠藤保仁(ガンバ大阪) 福西崇史(ジュビロ磐田) 小笠原満男(鹿島アントラーズ) FW 高原直泰(ハンブルガーSV) 柳沢敦(鹿島アントラーズ) 玉田圭司(名古屋グランパスエイト) 大黒将志(グルノーブル) 巻誠一郎(ジェフ千葉) 久保落選!巻代表入り…ドイツW杯23戦士決定 [ 05月15日 17時05分 ] 夕刊フジ ビッグ・サプライズはドイツで!! 日本サッカー協会が15日午後2時、ドイツW杯の登録メンバー23人を発表した。「私の信念を持って選んだ」というジーコ監督から読み上げられたメンバーは、大半はジーコチルドレンを抜擢。唯一のサプライズは当確とみられていたFW久保竜彦(横浜M)が落選し、巻誠一郎(千葉)が加わったことだった。登録メンバーは、17日から福島・Jヴィレッジで国内最終合宿を行う。日本代表にとって3度目のW杯はジーコ監督と中田英寿がカギを握る存在になった。 詰めかけた報道陣は300人。会場となった東京・渋谷区内のホテル周辺は、テレビ全局の中継車が行列をつくり、交通渋滞を起こすほどだ。今やメンバー発表は、4年に1度の国民的な関心事。 「サプライズはない」と再三、公言していたジーコ監督の言葉通りにメンバーは、久保が落選して、当落線上にいた巻が加わったことを除けば、ほぼ順当。 ジーコ監督は巻の選出について、「去年の終わり頃から彼は必死に日本代表のためにプレーした。ドイツでは、日本のためにきっと素晴らしいプレーをしてくれると思う」と、その理由を語った。一方、久保の落選については、「足、ヒジ、腰に故障を抱えており、満足なプレーができない。わたしは彼のプレーが大好きだけど、ケガを治すことが先決だと思う」とサプライズの理由を明かした。 02年7月22日に「日本代表監督の契約」を行った同じホテルでの会見は、日本サッカー協会・川淵三郎キャプテンが同席した。 「私もメンバーは知らない。ジーコ監督の口から今、発表してもらいます」と川淵キャプテンが口を開いた後、淡々とジーコ監督の口からメンバーの名前が読みあげられる。 日本にとって3度目となるW杯のメンバー発表は、初めて代表監督の口から告げられた。協会会長の同席も史上初というセレモニーとなった。契約会見と同じホテルを使うことにしたのも、ジーコ監督のゲン担ぎだという。 初出場となった98年フランス大会では、岡田武史監督の口からカズや北沢など、落選者だけが告げられただけ。02年日韓大会では、トルシエ監督が、中村俊輔を落選にしたことのファンの過剰反応を恐れ、直前になって「自分は同席しない」と急遽(きゆうきよ)、協会幹部の口から発表されている。 さて、今回のドイツW杯。ジーコ監督と中田英寿の2人が紛れもないキーマンとなった。実は中田英は、02年W杯終了後、トルシエ監督との確執が引き金となり「日本代表の引退」を決意。同年10月のジーコジャパン初招集の際も「辞退」するつもりでいた。 しかし、代表スタッフの説得もあり中田英が帰国して、ジーコ監督と会談。このとき、2人の間に生まれた「信頼」で、この4年間は日本代表は編成され続けた。 最近のチームの状態はいまひとつだが、チーム浮沈のポイントも『一致』している。それが、ドイツでの直前合宿にあるという。ジーコジャパンは17日から福島・Jヴィレッジで合宿を行う。ただし、これは陸上部と思わせるようなランニング中心の練習メニューが決まっている。 注目の中田英を含む「海外組」は17日からではなく、20日以降の合流を予定。その後、ジーコジャパンはドイツへ向け26日に出発する。そこから「勝負だ」とジーコ監督も中田英も話しているという。 メンバー発表の直前に行われたキリン杯では、不完全燃焼の2試合が続いていた。が、川淵キャプテンは「本大会では大丈夫」と太鼓判を押す。その自信の裏には、「これまでのチームとは違う。ドイツ大会はジーコがカリスマを発揮して、ヒデが軸になる。試合に出ていなくても、彼なら心配はない」と全幅の信頼をおいている。 ジーコ監督は、「ドイツで世界を驚かせたい」ということが就任した時の公約だった。きょうのメンバー発表では、いつ爆発するかわからない腰痛が持病の久保が落選。今が伸び盛りで今年に入ってアピールを続けていた巻を選んだが、日本中が歓喜するようなビッグ・サプライズは、本番で、ぜひ-。 ■巻誠一郎 ジェフ千葉。熊本県出身。05年7月東アジア選手権対北朝鮮戦で代表デビュー。国際Aマッチ9試合に出場3得点。「利き足は頭」が口ぐせ。長身を生かしたポストプレーと、前線での泥臭い仕事を厭わず、守備でも貢献する。代役で初招集されてチャンスをつかみ、今月のキリン杯ブルガリア戦では交代直前にゴールを決めて、代表入りをアピールした。高校までサッカーとアイスホッケーを両立していた変わり種。 <サッカーW杯>落選の久保「仕方ない」 主な選手談話 [ 05月15日 17時42分 ] 日本代表に選出された巻誠一郎ら主な選手と、落選した久保竜彦のコメントは以下の通り。【デジタルメディア局】 久保竜彦(横浜マ)=落選 今まで練習も試合もしてきた仲間なので、(代表に選ばれた選手には)頑張ってほしい。いいチャンスだったけれど、仕方ない。(所属する)マリノスの試合があるのでそこで頑張りたい。 巻誠一郎(千葉) 会見は、期待せず客観的に見ていた。まさか選ばれると思っていなかった。かなりビックリしたが、落選した人、応援してくれた人のために僕らしく、日本のために戦いたい。 玉田圭司(名古屋) すごいドキドキしていたので、素直にうれしい。メンバーが発表されるまでずっとFW争いと言われていたが、自分に自信は持っていた。ドイツで頑張りたい。 大黒将志(グルノーブル) 名前が呼ばれた瞬間うれしかったが、これで終わりじゃない。試合に出られたら点を入れられるようベストを尽くしたい。 高原直泰(フランクフルト) まずはメンバーに選ばれて良かったと思います。ようやくワールドカップへのスタートラインに立てました。できるだけ遠くのゴールまでたどり着ける様に、いい準備をして今自分にできる最大限のプレーをだせる状態まで持っていけるようにやっていければ良いと思います。良い結果を得られるようにがんばりますので、皆さん応援を宜しくお願いします。(高原公式HPから原文のまま) 川口能活(磐田) 今までやってきたことをしっかり出し、ドイツのピッチで日本の勝利に貢献したい。出るからには優勝を目指して頑張りたい。 小野伸二(浦和) チームを明るくする役割を求められていると思う。ピッチではリーダーシップを取り、自分に負けないように頑張りたい。 三都主アレサンドロ(浦和) 日本の強さを見せて行きたい。自分の良いプレーをドイツで見せたい。 中村俊輔(セルティック) 4年前、ああいう結果だっただけに素直にうれしい。選ばれなかった選手のためにも一瞬たりとも気の抜いたプレーできない。精一杯頑張りたい。 中沢佑二(横浜) 前回は選ばれなくて、くやしくて会見も開けなかったが、今回はこの場(会見の場)を迎えられてうれしい。 ▲
by azatsu0422
| 2006-05-15 13:59
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